太陽光発電事業不正を本格捜査

文前政権時に予算増大
日付: 2023年06月20日 12時38分

 文在寅政権時、不正疑惑がささやかれていた「太陽光発電事業」について、多くの公職者が私腹を肥やしてきたことが明らかになった。大統領室はこれに対し、太陽光発電事業をめぐる意思決定までの流れを再度洗い出す方針を固めた。まさに「猫にかつお節」のような恥知らずな状況が各所で確認されている。
(ソウル=李民晧)


汚職まみれの太陽光発電事業

太陽光発電などの新再生可能エネルギー事業について監査院が実態を調査した結果、「コソ泥」ともいえるような公務員が多数摘発された。彼らは民間業者と共謀し、許認可の過程や契約上で不正な利益を得ていた。また、虚偽の書類を作成し事業権を容易に取得できるよう手助けしたほか、国の補助金を不正に受け取っていたことも明らかになった。こうした一連の不正に関与していた人々は、前・現公職者のうち38人に達する。これは監査院の告発によって検察の捜査対象となった人の数であり、捜査を進める中で今後さらに増えるものとみられている。
実際、太陽光発電の許認可権を握る産業通商資源部の課長2人は、太陽光発電業者に不当な利益を供与し、退職後には当該企業の代表取締役とその関連企業の専務として再就職した。韓国電力公社など公共機関8カ所の役員・社員250人は偽名で会社を設立し、直接「太陽光事業」にかかわっていたことも判明した。
文前政権が「脱原発」を謳いドライブをかけた新再生可能エネルギー事業は、まるでタマネギのように皮を剥いても剥いても不正が後を絶たない伏魔殿の様相を見せている。
昨年9月、国務調整室による調査でも数千件の不正が摘発された。ソウル市の監査では、朴元淳・前ソウル市長が展開した太陽光発電普及事業に、左派系市民団体に属していた人々が政策決定に関与していた上、太陽光発電事業に食い込み私腹を肥やしていたことも明らかになっている。

不正カルテルを徹底調査

大統領室は、監査院の監査結果によって判明した文政権当時の太陽光発電事業の不正疑惑について「事実関係が明らかになるにつれて捜査も進み、懲戒や人事の交代も続くだろう」とコメントした。大統領室高官は15日、記者団との非公式会見で「結果ありきではない」と述べた。
尹錫悦大統領はこれに先立ち、文政権下の太陽光発電事業で不正が多数見つかったという監査院の監査結果を受け、公職紀綱秘書官室に意思決定までの流れについて徹底的に調査するよう指示した。
大統領室高官は「太陽光発電事業における意思決定の過程において、不正と不当な利益につながらないような適法性と清廉性は検討されたのか。そして環境問題に対する対策はなされたのか。これらの疑惑について、改めて総点検するという意味だ」と説明した。尹大統領の指示は「前政権を標的とした監察」という野党の指摘には当たらないことをアピールする狙いがあるものとみられる。
文政権は在任中、脱原発政策に固執し、新再生可能エネルギー事業に莫大な予算をつぎ込んだ。文大統領就任初年度の2017年当時は4000億ウォンにも満たなかった新再生可能エネルギー支援予算は、任期最終年である22年にはその3倍となる1兆2580億ウォンにまで膨らんでいた。その予算の多くが不正に関係者に流れ、血税を食いつぶしていたとしたら許されないことだ。

 

13日、大統領主宰のもと開かれた閣議(写真=大統領室提供)

 


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