脱ドル化の流れ進む

BRICS参加国が急増
日付: 2023年06月20日 12時31分

 NATOの支援を受けて進行中のウクライナ軍の反撃は、人海戦術が粉砕され、反撃の成果が見られないことで、米国が狼狽している。クレムリンの代弁人は、ロシア軍がウクライナの武器体系の大部分を無力化し、ウクライナの非武装化という目標は事実上、達成したと話した。
プーチン大統領は16日、サンクトペルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)で演説した。約80分間の演説で、プーチン大統領は米国がドルを武力闘争の道具として使用、自分の力を自ら破壊したと指摘した。国際決済においてドルを捨てる傾向が続くと、ドルの終末が始まると言った。プーチン大統領は、「パックス・ブリタニカ」や「パックス・アメリカーナ」は歴史の自然な流れだったと言い、ロシアは「パックス・ロシア」ではなく「パックス・マルチポラリティ」を追求すると強調した。
プーチン大統領が17日、サント・ペッツェルブルクで、南アフリカ、セネガル・ザンビア大統領とエジプト首相などアフリカ連合の平和使節団に会ったとき、昨年3月にトルコでロシアとウクライナ特使が議論した文書草案を公開した。両国はウクライナの中立と安全保障に対する条件に同意、平時のウクライナ常備軍の規模と装備に関する立場などが違ったが、大きな枠組みでは合意、署名までしたが、米英の圧力でウクライナが合意を破棄したと言った。プーチン大統領は、約束通りキエフ郊外などからロシア軍を撤収したがキエフ側は約束を破ったと話した。
BRICSがドル以外の他の通貨で貿易をする議題を協議、脱ドル化にスピードを出している中、現在20カ国以上が公式・非公式にBRICS加入意思を表明している。昨年、イランとアルゼンチンが加入意思を表明し、エジプトが14日、加入を正式に申請した。サウジとトルコも遠からず加入を申請するものと見られる。マクロン・フランス大統領が8月、南アフリカ開催のBRICS首脳会議に出席意向を発表した。
一方、トニー・ブリンケン米国務長官は18日、ブリックスのリーダー役を果たしている中国を訪問した。米国としてはロシアを支持するBRICSとグローバルサウス対策が必要な状況だ。国務長官として5年ぶりに訪中したブリンケンは、台湾の独立を支持しないと明言した。西欧中心の国際秩序は不可逆的な方向に変わっている。


閉じる