韓日の商店街が姉妹提携

交流活性化へ期待高まる
日付: 2023年06月13日 10時40分

 韓国と日本の関係改善が民間レベルでも進んでいる。先月、東京・上野のアメ横商店街連合会と、ソウルの広蔵市場商人総連合会が姉妹提携を結んだ。両首都を代表する商店街同士で、交流プログラムの実施などを計画している。これに先立つ昨秋には、同様の提携が大阪・鶴橋の大阪コリアタウンと済州島の市場との間で締結された。いずれも具体的な動きはこれからだが、関係者はコロナ後の交流活性化を見据え、知恵を絞っている。

 アメ横と広蔵市場との提携は先月12日、東京都内で韓国中小ベンチャー企業部の李永長官立ち合いのもと、両市場関係者が調印式に臨んだ。
李長官は「互いの商店街が発展のため努力するよう期待している。中小ベンチャー企業部も交流促進の支援をする」とあいさつした。
広報、販売促進、相互訪問、交流プログラムなどで協力を進めるが、具体的な計画はこれから協議して決める。
今回の提携は、アメ横が東京の中心部で賑わう日本を代表する商店街ということで、広蔵市場側が持ち掛けた。アメ横でもコロナ禍が明けるとともに、韓日で政府間交流が進んでいることから、民間レベルでも何かできることがないかと考えていたタイミングだった。アメ横側も「よろこんでやろう」とすぐに提携を進めることを決めた。提携後の第1弾として、来月12、13日にアメ横関係者が広蔵市場を訪問する。
アメ横商店街連合会側の担当者で在日韓国人3世の高山政弘副会長は、今後について「計画段階であり、まだ決まったことはない」と前置きしたうえで、「PRによる相互の送客のほか、合同イベントの実施、両商店街の経営者が相互に出店するなど、さまざまなアイデアを出し合って活性化を図りたい」と意欲をみせている。
一方、大阪・鶴橋の大阪コリアタウンでも昨年11月に大阪側が訪韓し、済州島の東門伝統市場と提携した。今年の5月の大型連休直前には済州側が視察に訪れて交流したが、具体的な計画はこれからだという。
全国商店街振興組合連合会は、「海外の商店街との姉妹提携はほとんど前例がない。成功事例となれば、広まっていくのではないか」と注目している。
日本政府観光局(JNTO)によると2023年4月の訪日客は国別で韓国が最多で、前年同月比60・6倍の46万7000人となった。一方、韓国観光公社調べによる23年4月の訪韓日本人は、前年同月比57・5倍の12万8000人で国別で最多だった。コロナ禍明けと韓日関係改善により、さらなる上乗せと経済活性化が期待される。

 ■広蔵市場商人総連合会 広蔵市場は1905年に韓国初の常設市場として、ソウル中心部の鐘路に設置された。衣料品、寝具、漆器、厨房用品、生鮮食品、乾物、葬祭用品など、多くの品物が取引される総合市場。観光コースとして、外国人観光客にも人気がある。
■アメ横商店街連合会 アメ横商店街は東京の上野駅と御徒町駅の間の約500メートルの間に、衣料品、雑貨、医薬品、食品、飲食店など400軒の店舗が軒を連ねる。成田国際空港と結ぶ京成上野駅に近く、外国人客も多く訪れている。

 

姉妹提携式典に臨んだ両商店街代表と韓国中小ベンチャー企業部の李永長官(中央)=東京都内(韓国中小ベンチャー企業部提供)


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