民団徳島脅迫に有罪判決

「偏見にまみれ身勝手な犯行」
日付: 2023年06月06日 11時09分

 民団徳島地方本部に「実弾で浄化する」と銃撃をほのめかした内容の脅迫状を送り付けたとして脅迫罪に問われた徳島市大原町の大学生、岩佐法晃被告(40)に対し、徳島地裁は5月31日、懲役10カ月、保護観察付き執行猶予4年(求刑懲役10カ月)の判決を言い渡した。
細包寛敏裁判官は「偏見にまみれた考えで、異なる思想信条を持つ人に恐怖を与えて排除する身勝手な犯行だ」と述べた。
判決によると、岩佐被告は昨年9月11日から14日までの間、「反日政策ヲ続ケル様デアレバ、次ハ実弾ニ寄ル消化ニヨッテ浄化スル」などと記された文書を民団徳島の事務所に投函した。
細包裁判官は「脅迫文は差別意識を強く伺わせる言葉が使われて、出自や所属によって標的にしたことを理解させ、強い恐れと不安を与えた」と指摘。「執拗に犯行に及び、厳しい非難に値する」と断罪した。
判決を受けて、民団徳島の姜盛文団長は「私たちが言いたいことを伝えてくれた。これからも、地域の人と協力して暮らせる社会をつくっていきたい」と述べた。民団徳島では事件の直後も、地域での交流を続ける姿勢を示すため、Kポップイベントを予定通り開催した。民団中央本部の李相哲・生活副局長は「ヘイトクライムとは明言されなかったが、重みがある判決だ」と評価している。


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