北の人権問題提起

NO FENCE講演会
日付: 2023年05月30日 12時28分

 27日、オンラインでNOFENCE(北朝鮮の強制収容所をなくすアクションの会)主催の講演会が開かれ、「北朝鮮に人権を植えることは可能か」と題して学習院大学の村主道美教授が発表した。
発表の要旨は大きく二つあった。北韓の指導体系は秦代中国の法家、商鞅による論理を徹底したもので、その国民はRentier State(不労所得生活者国家)を余儀なくされているという分析である。
商鞅とRentier Stateの例を取りあげたのは、北韓を指して「これほど国民を想定していない国家はない」という憤りを明示するためであるとのこと。
質疑応答では、北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会の佐伯浩明代表理事が「北による問題の解決方途としてまず核を取りだすのは間違いで、人権をキーワードに攻めていく必要があるのではないか」と質問した。村主教授は「どちらも重要であり総合的にとらえるのが難しい」と前置きしつつも、米国の北韓を危険視する度合いが高くないため、まず発表で提示したモデルを広めていく必要があると訴えた。米国の北韓に対するイメージは、メキシコ難民と同等程度のものでしかないという実情を慨嘆した。
発表で意識されていたのは商鞅の例からもわかる通り、中国の存在だ。表向きは儒教だが、裏では法家が幅を利かせているという中国の構図をよく理解し、北韓の周辺国が半島の統一を妨害するのでなく理解を共有していく点が重要であると話した。


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