都内で韓日国際シンポ

関係改善へ大局的歴史観を
日付: 2023年05月23日 10時51分

 17日、日本の東アジア総合研究所と韓国ハンガラム歴史文化研究所が共催し、都内で「日韓関係改善に向けての新しいアプローチ」と題した国際シンポジウムが開催された。関係者約120人が参加した。
当日の進行は二つの基調講演に対する討論を軸に、特別講演・報告、提言へと進んだ。
李徳一所長の基調講演「韓日古代史から見た両国の歴史和解」は、663年の白村江の戦いで百済と倭が協力して新羅と唐の連合軍と戦ったこと、百済の敗北をわが事のように嘆いた倭の人々の回顧が載る『日本書紀』の記述を取り上げ、帝国主義的歴史観の打破なくしては今日の両国の「関係改善」という課題には進めないのだという見方を示した。
小倉紀蔵・京都大学教授の基調講演「歴史認識と非認知的和解」は、なんとなく「非認知的に」大衆へと受け入れられ後付けされた歴史認識が、当時を生きていた人々の実相を曖昧にしてしまうと指摘。そのような歴史記述のもつ暴力性を自覚し、両国に対する対等意識や尊厳を持たなければならないと強調した。
討論後、コメンテーターへの回答を求められた場で、李徳一所長は「神話を信じない世界は韓日両国くらいだ。帝国主義的歴史観を捨て、かつて倭が百済を同族と思った意識を取り戻して欲しい」と答えた。小倉紀蔵教授は「両国の民族主義者たちが対話していかなければ。古代をわかっている人こそ現代を語らなくてはいけない」と答えた。
最後に姜英之理事長は両研究所が来年以降も定期的なセミナーや市民交流を行い、「歴史文化交流ネットワーク」を築いていくという行動計画を提言した。


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