韓国で日本製品復活の兆し

「ノージャパン」乗り越え 映画・食品など人気
日付: 2023年05月23日 10時48分

 前政権下で行われた官製反日運動により、戦後最悪といわれるまで冷え込んだ韓日関係だが、昨年5月の尹政権発足以降、急速に両国間の関係改善が進んだ。それに伴い民間レベルの交流も活発化、韓国では「NO JAPAN」運動下で落ち込んだ日本製品やコンテンツがブームとなっている。

 韓国で日本製品やコンテンツの人気が高まってきている。映画を始め、自動車や酒・衣類の売り上げが伸びている。
韓国映画振興委員会のデータによると、今年4月の映画興行のトップ10に日本関連の作品が三つ並ぶ。『すずめの戸締まり』と『スーパーマリオブラザーズ』(制作は米国)、『ザ・ファーストスラムダンク』だ。
2カ月続けて1位の座を守った『すずめの戸締まり』は、累積観客動員数が500万人を超える。1月に公開された『ザ・ファーストスラムダンク』が韓国で爆発的なヒットを記録したのが記憶に新しい中、『すずめの戸締まり』の観客動員数は4月中旬に『スラムダンク』の記録を塗り替えていた。5月14日時点での集計では、両作品の観客動員数はそれぞれ530万人・460万人を上回り、他の追随を許さない。日本アニメの人気の高まりは疑う余地がない。

巻き返したビール業界

文政権下で展開された「ノージャパン」(日本製品不買運動)によるあおりを、日本ビール業界は正面から被った。韓国関税庁の貿易統計資料によると、不買運動が本格化する直前の2019年7月、日本産ビールの輸入額は434万2000ドルを記録していた。「ノージャパン」運動の影響により、翌々月に6000ドルにまで減少したのは衝撃的だった。
今年1~3月の日本産ビールの輸入金額は662万7000ドルとなり、前年同期比148・5%増加した。4月単月では307万4000ドルとなり、前年同月に比べ866・7%増加した。新製品「アサヒスーパードライ生ジョッキ缶」は韓国で正式発売される7月に先立ち今月数量限定で販売されたが、各地で品薄状況が続いている。
現在、アサヒの缶ビールは韓国産缶ビールと同じ価格でコンビニなどで簡単に入手できる。販売が促進した一因と考えられる。
コロナ禍で愛飲者が増えたウイスキーでは、サントリー「角瓶」や「山崎」をはじめとする各種の売れ行きも好調だ。

ノージャパンを乗り越え

同じく「ノージャパン」に耐え、返り咲いたのがユニクロだ。尹政権発足後すぐの昨年5月にはイタリアのファッションブランド・マルニと提携し、商品は韓国内で飛ぶように売れた。一昨年、韓国の製造小売りブランド・シンソン通商にトップの座を奪われたが、昨年の売り上げ実績8036億ウォン(前年同期比31%増)により1位に返り咲いた。
韓国輸入自動車協会(KAIDA)によると、トヨタの高級ブランド車「レクサス」は今年1~4月の販売実績が4321台で、前年同期比114%増加。外国車の売り上げが前年の倍となるケースは少ない。
日本政府観光局(JNTO)が発表した資料によると、今年1~4月に日本を訪れた外国人は673万9500人だったが、3分の1の206万7700人を韓国人が占めた。韓日両国ともコロナ水際対策を完全に撤廃したことを考えれば
18年に記録した753万8952人を超える可能性さえある。
アフターコロナの日常がもどりつつあるなか、様々なレベルでの韓日交流の復活が期待される。

 


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