AI(人工知能)技術が進むことで社会は大きく変わるといわれている。すでに私たちの身近なところでAIは活用されており、2045年にはAIが人類の知能を超えるシンギュラリティ(技術的特異点)を迎えるとの予測がある▼AIの発達によって、人類の仕事は次々とAI搭載のロボットに置き換わるようになるだろう。その一例が「チャットGPT」の登場だ。今まではどこか不自然だったチャットボットとのやり取りは、より自然な会話になり、翻訳の精度もあがった。関数記述や画像生成といった機能も可能となる▼韓国はデジタル大国だ。デジタル化への移行も日本に先んじているが、AIの活用も同様だ。あるデータによれば日本でチャットGPTを使ったことがある人が4・8%。対して韓国は30%。学生がチャットGPTに論文を書いてもらう事例もあり、問題となっている▼一方で、懸念されているのは安全性だ。これはすでに多くの専門家が指摘していることで、同時にプロパガンダや洗脳教育にも利用されやすいともいわれる。尹錫悦大統領は、「オンラインに乗って全方位に広がる偽ニュースが、自由を保障する民主主義を脅かしている」と述べているが、AIがプロパガンダに利用されれば、その影響力はこれまでの比ではない▼正しく運用すれば人類に大きな利益をもたらすAI。しかしAIに扇動されるリスクもある。社会が急速に変わっていく中、国家と個人のデジタルリテラシーが問われる時代になってきているといえるだろう。