大韓民国の建国史306

韓半島の「唯一の合法政府」に対する解釈」と韓半島冷戦
日付: 2023年03月14日 12時59分

 東西冷戦は人類が初めて経験する資本主義市場経済と共産主義体制との間の理念戦争だった。冷戦は、単に相手を牽制、睨みあう対峙ではなく、その本質は資本主義体制の消滅を追求する共産陣営と自由陣営間の「総力戦」だった。韓半島の冷戦の本質は、スターリン体制の傀儡である金日成集団による「国土完整」=「南韓赤化」の目標を達成するための革命戦争だった。
そもそも全体主義体制に比べて体制動員能力が落ちる自由世界は当初から冷戦に苦手だった。共産陣営が世界的範囲で連帯していたのに対し、個人に広範な自由を基本権として許す自由陣営は、冷戦という総力戦に効率的に対応できなかった。
日本は、韓半島で東西陣営が激突した「6・25戦争」(1950年6月から37カ月間)では国連軍の後方基地だったが、この経験したことのない総力戦・東西冷戦では共産陣営の前方司令部(朝鮮労働党日本支部)を許してしまった。日本社会や当局は、冷戦の本質と実状について、敗戦後に連合国に分割占領され分断された西ドイツに比べて鈍感で、朝鮮労働党日本支部の力量を過小評価した。
戦後の日本社会には、自由を脅かし破壊する行為までもある程度保護、保障するのが民主制度であり、かつ法治という風潮が澎湃としていた。日本に不法侵入した北韓スパイやその土台人が摘発されても処罰しなかった。
日本は自由を脅かす自由を許す余裕があるかもしれないが、韓国の立場では日本が大韓民国の赤化工作の基地となることは耐えられなかった。
65年に締結された韓日基本条約の第3条は「大韓民国政府が国際連合総会の決定第195号に明示されている通り韓半島における唯一の合法政府であることを確認する」とされている。しかし、日本政府は、この3条について、大韓民国が韓半島の唯一の合法政府ではなく、大韓民国の施政権は韓半島の北部には及ばず、休戦線南側の唯一の合法政府という立場を堅持、韓半島の分断体制管理を目標とした。
こうなると、日本政府としては、朝鮮労働党を「反国家団体」として規定、規制する韓国の国家保安法は同意、協力できない法となる。要するに、大韓民国の憲法と自由民主体制を護る唯一の法的装置である国家保安法に対する態度において、日本当局は、結果的に大韓民国の敵・反国家団体(朝鮮労働党とその日本支部)の主張と立場に同調し擁護 することになる。これは「北送工作」が韓日国交正常化後も19年間にわたり続けられたことからも分かる。
日本当局が、自国の安全を守るための破壊活動防止法上の監視団体でもある朝総連に対して微温的姿勢を保ってきたのは、戦後、スパイ防止法がなかったことより、共産全体主義体制との冷戦の本質と実状を軽んじた日本社会の風土が、日本内に朝鮮労働党の冷戦基地を許容し、この野蛮な金日成全体主義独裁を守る広範な勢力を作り出したためだ。
朴正煕大統領は、現代化革命のため日本との国交正常化を急いだのだが、日本は韓国の経済発展には協力しながらも、植民地化の歴史がもたらした分断された韓半島に対して、分割・等距離政策を堅持した。
大韓民国と韓国人たちは悩みと憤怒を鎮めるしかなかった。韓半島の熱戦を支援する国連軍司令部の後方司令部は冬眠状態で、自由民主体制である大韓民国は、日本内に朝鮮労働党日本支部のような冷戦の前衛組織を作ることもできなかった。
(つづく)


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