野党「共に民主党」の暴挙が止まらない。8日、国会本会議場で李祥敏行政安全部長官に対する弾劾訴追案を強行処理した。与党である「国民の力」は反対したが、国会(定数300議席)は現在、共に民主党が過半数となる169議席を占め、国民の力の115議席を圧倒している▼明確な違法事実が明らかになっていないにもかかわらず弾劾を強行したのは、李祥敏長官をたたいて尹錫悦政権の責任論を浮き彫りにし、李在明代表の不正捜査に対する国民の関心をそらす狙いだろう。憲政史上初の長官弾劾は、政治的に悪用された形になった▼数の力で国会を混乱に陥れている事例はこれだけではない。政府法案276件のうち219件が国会で「ストップ」しているのだ。政府が国政課題の実現のために任期内に制定または改正しなければならない法律は全部で488件。発足2年目を3カ月後に控えた現在、国会を通過した国政課題関連法案は約12%にすぎない▼韓国は国内外に処理すべき課題を抱えている。安保や経済問題など課題は多く、危機的状況を迎えているともいえる。こうしたなか、権力闘争に終始する共に民主党を、韓国国民はどう思うのだろうか▼今回の李長官弾劾について、メディアも否定的に報じている。朝鮮日報は「長官弾劾を政治的に悪用した今回の国会採決は、共に民主党の恥ずべき歴史として記憶されるだろう」と非難。東亜日報は専門家の言葉を引用しつつ、「国会が正常に機能していない」と指摘した。国民の審判が待たれる。