2023年の韓国の経済成長率が、日本を下回る見通しであるという。IMF(国際通貨基金)の予測である。韓国が1・7%の成長にとどまる一方、日本はそれをわずかに上回る1・8%。3カ月前は韓国が2・0%、日本が1・6%との予測で、韓国メディアも今回の発表を驚きをもって報じた▼韓国は建国後、北韓との戦争、その後の目覚ましい経済成長、民主化を成し遂げ、先進国の仲間入りを果たした。経済の分野では隣国・日本の後を追い、似たような産業構造を持つ国となり、1人あたりのGDPでは日本を上回るまでになった▼サムスンは世界有数の大企業となった。一部の分野では韓国製品が市場を席巻し、家電や車でも世界的評価を受けている。経済成長率の鈍化も、見方を変えれば韓国経済が”成熟”した証といえよう▼これからが国家としてもう一段階、成長するための過渡期である。だが韓国国内の現状を見ると、厳しい状況だ。「共に民主党」が牛耳る国会は正常に運営されず、党代表の李在明氏は多くの犯罪疑惑にまみれている▼経済分野では「追われる立場」ならではの苦しみを痛感しているだろう。半導体産業は急激な業績悪化に見舞われ、台湾勢の後塵を拝している。社会のいたるところに「分断」があり、国民は一枚岩になっていない▼韓国は難しい局面を迎えている。政財界の指導者だけでなく、社会の末端まで従北勢力が根を張っている。この勢力を浄化し、国民全体が進むべき道を見定めることが求められている。