大韓民国の建国史300

誰も書かなかった、日本国内での韓半島冷戦の真実
日付: 2023年01月24日 13時05分

国交正常化の後、急速に発展するように見えた韓日関係は、両国の発展を妨害、阻止する勢力の蠢動・暗躍によって、両国間の摩擦が表面化、増幅し始める。韓国のベトナム戦派兵に対する日本社会の広範な誹謗・謀略・中傷は、もはや共産陣営の戦略的利害、目標を代弁する次元となった。
「金大中拉致事件」を通じて、韓日関係の発展の障害が何か、そして「人権と民主主義」を掲げた「反韓勢力」の戦略・戦術が明確になった。日本のメディアは、平壌の金日成個人崇拝、首領唯一思想という神政全体主義独裁は批判せず、この神政全体主義独裁に対抗するための大韓民国の「国家保安法」を非難、執拗に攻撃した。 朴正煕大統領と韓国当局は、自由民主体制を守る戦いにおいて日本社会(特にメディア)の理解と協力を得るのは現実的に期待し難いことを認めざるを得なかった。
金日成の朝鮮労働党日本支部は強固な要塞だった。朝総連は金日成王朝の大黒柱だった。革命の前衛として、韓・日を分断させる最も重要な戦略的任務を遂行した。
朝鮮労働党日本支部の精鋭工作員たちは、社会党など日本の左派・左翼勢力が構築、管理する広範なインフラを利用してメディア工作をはじめ、政界工作、財界工作、そして日本当局まで篭絡した。
日本社会各界の多様な人々が、平壌に関する情報収集という大義名分で、そしていつか実現すると思われる平壌側との「修交」に備えた避けられない措置と考え、平壌側への積極的な協力者ではない日本人でさえ「日本の敵」でもあるはずの朝鮮労働党日本支部との接触を維持した。甚だしくは、一部では共産党組織であるこの朝総連(朝鮮労働党日本支部)を、平壌側の「駐日代表部」と解した。
そして後に詳述することになるが、北韓経済が沈滞の沼に完全に陥ったことが明確になった1980年代になると、朝鮮労働党日本支部は、全く次元の違う役割を遂行することになる。これは、有史以来の好況を謳歌した日本の経済的繁栄の中、朝鮮労働党日本支部が掌握、指導する「朝鮮国籍」の在日コリアンによるパチンコなどの経済活動が、日本で政治・社会的にも目立った存在となり、繁栄したからだ。
当時、日本の遊技業の規模は防衛費(GDPの1%以内)の3倍と言われた時代だった。これは遊技業の3分の1を占めていた「朝総連系」の経済活動の規模が、当時の北韓のGNPの何と2・5倍に相当することを意味した。北韓人口の1%に過ぎない在日朝鮮人の最大の任務は、いつの間にか共和国への経済的貢献と変わった。
朴正煕政府としては、朝鮮労働党日本支部を無力化することが安保次元の至上課題となった。
そして、この自由民主体制を守る国家安保次元の問題において、日本当局の協力が期待できないのは残念ながら現実だった。朴正煕大統領は、金日成にとって最強の要塞の一つである、朝鮮労働党日本支部の無力化に打って出た。
朝鮮労働党日本支部(朝総連)の工作員が訓練、仕向けたテロ犯によって陸英修女史が殺害されてから3カ月も経たない1974年の秋、川崎から朝総連学校(朝高)出身約30人が、駐横浜韓国総領事館が発行した旅行証明書を持った団体として訪韓した。当然「金日成の公民」を自任した者らに旅券(旅行証明書)を発行するのは法的に許されるものではなかった。
朴正煕大統領は「7・4共同声明」の後、南北間の合意で推進したが平壌側が中断した「離散家族の再会」という「人道的事業」を、朝鮮労働党日本支部が掌握している在日朝鮮籍の人々を対象に、推進することを決断した。(つづく)


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