北韓の指示を受けて反政府・反米活動等を行ってきた韓国の市民団体に、大規模な捜査のメスが入った。慶尚南道や済州道の地下組織がすでに捜索を受けており、これらの地下組織が北韓の工作員から指示を受けていた証拠もそろいつつある▼工作員が接触した韓国側の人物には、野党の尹美香議員の秘書も含まれており、この秘書を通じて韓国の労組にも反政府・反日・反米活動に関する指示や資金が流れていた疑惑が濃厚だ▼いまだに北韓を信奉する韓国人がいることにも驚かされるが、それに国会議員の秘書まで関わっていたことは、この問題の根深さを物語っている▼この問題は在日韓国人社会にも影を落としている。捜査を受けている尹議員の秘書は、日本の市民団体ともつながりがあることが明らかになっている。日本には韓国の前政権や左派団体と関係のあるビジネスマンや団体もあることから、「日本にまで捜査が拡大するのではと話題になっている」と漏らすニューカマーもいる▼ある在日韓国人の古老は、韓国の労組のデモなどで、頻繁に反政府的なスローガンが叫ばれることから、北韓の工作機関が介在しているのではと疑っていたという。在日韓国人が本国でのスパイ事件に巻き込まれた経験を持つ世代である。朝総連と在日韓国人左派がいまだにつながりを持っていると懸念を示す▼政府に対する不満は誰にでもあるだろう。それを表明する自由もある。だが、今回の事件では、民主労総を「国家保安法違反」として徹底的に調査すべきだ。