2023年が幕を開けた。新型コロナウイルス、ロシアのウクライナ侵攻と、それによる物価高、北韓の相次ぐミサイル挑発に核開発と、不安の種が尽きない新年の始まりとなった▼新型コロナウイルスは、韓日で対照的な状況となっている。日本は「第8波」の真っただ中で、感染者も死者も増え続けている。一方の韓国は小康状態といっていい▼懸念は中国だ。「ゼロコロナ」政策から一気に規制を緩和した。しかし当局が発表する感染者数も死者数も、実数よりかなり少ないと指摘されている。そんな中で迎える旧正月。人流とともにウイルスも再び世界に散っていくだろう▼着地点が見えない泥沼状態に陥っているのがウクライナだ。ロシアの侵攻に対してウクライナは粘り強く反撃し、春には大規模な反転攻勢に出ることが予告されている。この紛争がいつ、どのような形で決着を見るのか、今年も世界の関心事となるだろう▼それ以上に関心を集めそうなのが北韓情勢である。昨年下半期からミサイル発射を繰り返し、年が明けてからは李容浩元外相の粛清が報じられた。ウクライナの火が韓半島に飛んでこないと断じることはできまい。台湾海峡での軍事衝突の懸念もある。場合によっては東アジアが一気に混乱の渦の中心となる危険性をはらんでいる▼東アジアの自由民主主義を守る立場である韓国は、日本とともにその役割を果たしていくことが求められる。韓半島の分断は固定化されているが、はたして今年はどのようになっていくのだろうか。