編集余話

日付: 2022年10月25日 13時31分

 某国で関係者が次々と失踪、あるいは不審死を遂げているとのニュースがある。独裁政権下ではよくあることとはいえ、糾弾されるべき行為である▼ところが民主化を成し遂げた韓国でも今、不審死が噂されている事件がある。野党の元大統領候補として名高い李在明氏の周辺で起きている。これは偶然なのか、それとも…▼李氏の関係者で謎の死を遂げたとされるのは3人。いずれも李氏の不正疑惑に深くかかわったとされる人物だが当然、李氏は不審死への関与を否定。むしろ捜査当局からの圧力によって死に追いやられたと反論している▼韓国において保革の政治的な対立は激しい。長年繰り返されてきたことでもある。だが、李氏はそのなかでも異例と指摘されている。あまりにも疑惑が多く、その中の一つでも事実だとすれば巨大な事件になり、悪質性も高い▼今のところ、事実関係の追及は道半ばである。尹錫悦大統領も、就任当初は対立や分断を助長することに配慮したためか、厳しい姿勢をとってきたとはいえない。だが、李氏の疑惑は、いずれもあいまいにできる性質のものではない。徹底的に糾明すべきとの声は根強くある▼横領や背任などの疑いで、李氏やその家族は、水原地検、ソウル中央地検、ソウル警察庁、京畿南部警察庁から捜査を受けている▼不審死は、決して独裁国家だけで起きるものではない。しっかりと司法が機能しなければ、国家の根幹が揺らぐ。李氏の疑惑をあいまいにしたら、韓国に未来はないといえるだろう。


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