編集余話

日付: 2022年10月18日 12時56分

 朝鮮日報に「韓日の国力は本当に逆転したのか」というコラムが掲載された。米国の大学とマーケティング会社が発表した「世界国力ランキング」で、韓国が6位、日本が8位だったという▼弱まる円、上昇しない賃金、日本は相対的に貧しい国へと向かっている。各国の中央銀行が利上げを進める中、日本だけが超低金利政策を維持。こうしたこともあり、諸外国と比較する論調も最近は目立つ▼韓日に限定してみても、韓国の一部大企業の売上高は、日本企業を上回る。サムスンのように、複数の日本企業が束になっても及ばない大差もつけている。こうした現象は複数の分野で見られる▼ポップカルチャーの分野でも、韓流は世界に広まっている。日本のポップカルチャーが、海外ではサブカルチャーの域にとどまっている半面、KPOPはメインストリームとなりつつある。あるいはなっている▼だが、とコラムは言う。日本の技術力や企業の底力は侮れないと。確かに先端分野では依然として日本が先行しているといえるだろう。職人へのリスペクト、いわゆる”匠の技”を生む土壌も、日本の方がはるかに豊かである▼コラムは結論として、日本の競争力を見くびれば、「ひどい目に遭うかもしれない」と結んでいる。両国の産業構造は極めて似ているため、日本は韓国のライバルと見られることが多い。そのための忠言なのだろうが、やや短絡的すぎるのではないか。お互いの長所短所を補いながら、いい意味でのライバルとして、切磋琢磨してほしい。


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