尹錫悦大統領と岸田文雄首相。両者とも支持率が低い点で一致している。尹大統領は人事や政治手腕が不支持の理由に挙げられており、岸田首相は旧統一教会問題や安倍元首相の国葬への対応のまずさが国民の不信につながっている▼日本ではよく、韓国の大統領は政権末期で支持率が低下すると「反日政策」をとって支持率を回復させようとするなどと言われる。その分析が正しいかどうかはともかく、外憂が国内の結束力を高めるのはよくあることだ▼そういった意味で、北韓による相次ぐミサイル発射は、両首脳にとって手腕の見せ所であり、協力につながる。事実、”立ち話”の調整ですら難航していた両首脳は、6日に電話会談ながら協議を行った▼北韓の挑発行為には、いうまでもなく韓日米の連携が不可欠だ。韓国軍はすでに米軍との合同演習という形で対抗する姿勢を示している。安全保障についての韓米関係も、これを機に強固なものにしていきたいところだろう▼北韓では、核実験を行う兆候もあるという。コロナの影響で中国との国境を封鎖し、物資の流通は激減。市民生活はますます困窮していると聞く。そのタイミングで核・ミサイル挑発を行う金正恩を放置していていいわけがあるまい▼韓国でも日本でも、講じる手段はあるはずだ。例えば朝鮮労働党の日本支部である朝鮮総連。徹底して制裁すべきだろう。国連安保理は、中露の反対で機能していない。だからこそ、単独で、あるいは同盟国との連携で、この暴挙を止めるしかない。