大韓民国の建国史288

同盟の自主国防と核開発阻止に出た米国
日付: 2022年10月04日 12時38分

韓国が陸軍の基本的な銃砲や装備を開発、生産し始めた時から、米国はこれを牽制してきた。米国は韓国が独自に武器体系を持つことを許さなかった。
韓国政府と指導層を油断なく監視してきた米国は当然、韓国の武器開発委員会(経済2首席、国防部長官、商工部長官、科技処長官、国防科学研究所長)の動きも監視した。
インドが1974年5月、核爆発実験をした。韓国に比べれば安保脅威が深刻と言えず、非同盟路線を標榜してきたインドが核兵器を開発したのだ。インドが核実験に成功するや、米国と既存の核保有国は核爆弾製造に使われる技術と機器の輸出を制御し始めた。
米国は全世界に展開した情報網を総動員して核開発をする国々を調査した。韓国が再処理事業のため海外から誘致した科学者たちのほとんども化工、化学専門家たちだった。
駐韓米国大使館は74年10月、ワシントンの国務省宛てに「大使館は現在、韓国の核兵器開発の可能性を分析中で、これをもとに地対地ミサイル開発についても注視している」と報告した。米国側は、韓国が開発に着手した地対地ミサイルが核弾頭運搬用だと分析したのだ。
米国務省は75年2月4日、ホワイトハウスの大統領安保補佐官のブレント・スコウクロフト中将に送った報告書で、「韓国国防科学研究所は、ミサイルだけでなく、核兵器の生産を目標としているというのが私たちの判断だ。これは韓半島情勢に非常に深刻な戦略的問題を引き起こす」と断定した。
ヘンリー・キッシンジャー国務長官は、敗亡へ向かっている南ベトナム対策に忙しい中で、3月4日、ソウル、オタワ、パリ、東京、ウィーン駐在の米国大使館に緊急電文を送った。
「ワシントンの情報機関は、韓国が今後10年以内に制限的な範囲の核兵器開発に成功すると判断した。韓国の核兵器保有は、日本、ソ連、中国、そして米国まで直接関連する、この地域の最大の不安定要因となる。これは紛争が起きた場合、ソ連と中国が北韓に対して核兵器を支援するようになり、韓米同盟にも大きな影響を及ぼす。この核開発計画は、米国の大韓国安保公約に対して韓国側の信頼が弱まったことを意味し、朴大統領は米国に対する軍事依存度を減らそうとしている。この問題において私たちの根本的な目標は、韓国政府にこの計画を放棄するようにするか、核兵器やその運搬能力を持たないようにすることである。このような努力は、多国間の協力を通じて成されなければならない。私たちは最近、フランスに対し、韓国に再処理施設を提供するかどうかを尋ねているところだ。我々は近いうちに韓国に対する明確な政策を樹立する計画だ」
韓国の核開発計画を必ず阻止せねばならないと指示したこの訓令は、具体的に次のような政策を提示した。
<1・米国は、核技術を供給する諸国との共助を通じて、韓国が敏感な技術と装備に接近するのを防がねばならない。韓国に対する原子炉販売においてIAEA(国際原子力機構)の完全な安全規則を適用することはもちろん、韓国が自力で核兵器開発に利用する可能性があると判断される敏感な技術と装備の販売を制限する。現在できている法令のほかに、今後、武器に転用される可能性のある物質の移転を禁止する方案を研究している。韓国がカナダ型重水炉のCANDU炉を獲得することが再処理技術の拡大につながるのではないかという点に特に関心を持っている>
(つづく)


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