編集余話

日付: 2022年09月13日 13時01分

 新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いているとは決していえないが、やはり世の中は行動規制を緩和する方向に動いているようだ。「3年ぶりに行動制限のない○○」といったニュースに接する機会も増えた気がする▼韓国では9日から秋夕の連休が始まった。「ステイホーム」の呼びかけはない。3年ぶりのことだ。尹錫悦大統領は連休を控え「日常の心配をしばし置いて大切な人たちと心を分かち合う時間を過ごしてほしい」とのメッセージを発した▼秋夕を前に、史上最強クラスと予想された台風11号が韓半島を襲った。死者は11人を数え、水害も各地で発生した。傷跡は今も残る▼一方、11号は、史上最悪の849人が亡くなった1959年の台風とほぼ同規模だった。やや直撃を避けるコースになったとはいえ、被害は少なかったと捉えることもできよう▼尹大統領は秋夕のメッセージで、台風の被災者をいたわった。メッセージの端々には、苦しい生活を送る国民への言葉も織り交ぜられた。コロナ、台風、ウォン安、半導体不況…。確かに韓国を取り巻く環境は厳しい。だが、韓国は悲観すべき国なのだろうか▼台風で849人の犠牲者が出たのが約60年前。その当時と比べると、所得はドルベースで約500倍、輸出規模は約2万倍となっている。ペースは鈍化したが、韓国は成長しているのだ▼克服すべき課題は当然ある。統一問題しかり。国民をリードする大統領には、うつむいて足元を見るだけではなく、未来を見据えてもらいたい。


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