韓日の高校生がオンライン交流~文化をより身近に

親同士も悩みや教育で意見交換
日付: 2022年07月29日 10時50分

 グローバル人材の育成を目指した教育・活動を続けている神奈川県立多摩高等学校で「ZOOMによる日韓台高校生意見交換会」が企画され、25~27日は韓国との交流を実施した。同時に行われたPTA間の意見交換では、国境を越えた「子供を思う親」同士の活発なやり取りが印象的だった。

◇身近な理解
熱心に意見交換をするPTA代表(中央は平沼宏仁副校長)
 神奈川県立多摩高等学校(野田麻由美校長)は昨年に引き続き、京畿道坡州市のハンビッ高等学校(權大順校長)と「ZOOMによる日韓高校生意見交換会」を26日に行った。昨年は10人の参加だったが、今年は22人の申し込みがあった。
同校の通常カリキュラムに韓国語の授業はないため、生徒たちは前日に神奈川韓国綜合教育院の李雅英先生から、ハングル文字や挨拶表現、自己紹介、レストランでの注文などの初級韓国語を学習した。オンラインでは習いたてのハングルと英語を駆使しながら、1時間ほどの会話を楽しんだ。
今年は、坡州市から自治行政課国際協力チーム日本交流担当の林慶眞さんが特別に参加した。生徒間の交流の一方で、両校のPTAの代表者が意見交換をする場も設けられたが、林さんは双方の通訳として交流の一助を担った。子どもの教育に関して韓日の親は共通して意識が高い。たとえば韓国では、PTAが生徒からの意見を聞き取りすることもあるという。教師の指導方法なども含まれるが、一番大きいのは給食のメニューについてだそうだ(韓国では高校生も完全給食)。ほかにも、文系と理系に分かれるタイミングはどのように決めているのか、大学入試のシステムなどは政権によって変わるのか、塾など学校教育以外の私教育に関してどのようにとらえているか―など、それぞれの国の教育事情を知る良い機会と、両サイドから質問が次々と寄せられた。
そのようななか「子どもが落ち込んだときは、どんなサポートをしているのか教えてほしい」との発言が日本側から出ると、「おいしいものを作ってあげるようにしている」「子どもとたくさん話をしようとするが、やりすぎると疲れさせてしまうので、その加減も重要」など、子どもを思う親同士という共感が結びつきを強めたようだった。
企画立案者の平沼宏仁副校長は、隣国である韓日が良い関係を築くことが重要で、相互理解を深めることが大切と締めくくった。それは本当に身近なところから始まる。

◇文化体験
韓紙を使って筆箱を作る生徒たち
 カリキュラムの最終日は、韓国の文化を具体的に体験するため、駐日韓国文化院と新大久保コリアタウンで行われた。
韓国文化院では、伝統文化の代表的なものとして韓服、韓食、韓屋について学んだ。五方色や医食同源の考え方、オンドルや五色五味の知恵、曲線に求める美の形など、日本文化との違いも意識することができた。座学のあとは、朝鮮王朝時代の民家の住居様式を再現したサランバン(舍廊房・男性用の書斎や応接間)やネバン(内房・女性用の居間)、マダン(庭)を実際に体験した。当初は緊張気味だった生徒たちだが、生活の場に触れることによって、韓国がより身近に感じられたようだ。文化院での最後は、韓紙を使った筆箱作りを楽しんだ。
今回参加した生徒たちは、自身がK―POPファンや韓流ドラマ好きな家族の影響などで、もともと韓国に対する興味はあった。だが、実際に韓国人の同い年の若者と会話をした経験―片言でも相手に通じた驚きと喜び、もっと話せるようになりたい欲求など―は、強いインパクトをもたらしたようだ。
韓日間には何やら難しい問題がありそうだと、何となく感じてもいる。ただし、様々な問題は「自分の目で確かめたい」と次世代が判断することが重要だ。より良い両国の関係構築に向けて、今年も大きな一歩がしるされた。


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