韓日間の人的交流が少しずつ再開し、日本から韓国へ渡航する人がビザ申請のため長蛇の列を作っていることなどが話題になった。東京羽田‐ソウル金浦便の再開も大きく報じられた▼多くの韓国人にとっても、このニュースは待ちわびていたものに違いない。日本への渡航、特に観光目的の訪日が再開されたことで、日本行きのツアーには問い合わせが殺到しているという▼ここで合わせて話題になったのが「NO JAPAN」はどうなったのか?というものである。ご存知のとおり、韓国では3年前の半導体素材の輸出管理厳格化を受け、対日感情が悪化。日本製品の不買運動の機運が高まった▼しかし今、その影響は目に見える形では存在していない。前述した旅行人気に陰りが見られないというだけでなく、日本製品の売れ行きも好調だ▼そもそも「NO JAPAN」運動が盛んだったのは一時期だけだった。日本メーカーの売り上げは翌年には回復傾向となり、今や運動が始まる前よりも好調なくらいである▼これは政権の対日スタンスとまったく無関係というわけではあるまい。特に韓国の文在寅前政権は、「NO JAPAN」をあおり、有権者には対日強硬姿勢をアピールしてきた▼不買運動は、製品の不具合に起因するものでない限り、買う側の心情に訴えるものである。失ってその大切さに気付くというわけではなかろうが、幸いにもこの2年間で両国民は互いの重要さに気づいたのかもしれない。その気持ちを忘れずにいたいものだ。