在日社会、現在の悩み 相続・家庭・結婚相談が大半

日付: 2022年06月29日 00時00分

 民団では、在日社会で暮らしていて生じる悩みについて、全国の各地方本部や支部で、生活相談を行っている。弁護士、行政書士、司法書士、社労士、税理士などが日替わりで対応し、セミナー開催や個別相談なども実施している。そこではどのような悩みや相談があり、解決に寄与しているのだろうか。

  悩みや問題について、誰に相談すればよいかわからないことがある。家族間のトラブルならなおさらである。民団では、それぞれの内容に応じて専門分野の窓口を紹介するために、みんだん生活相談センターが設置されており、各地方本部ごとにセミナー開催や個別相談を行っている。同センターの金昭夫所長に現状を聞いてみた。
「子育て、仕事、冠婚葬祭、国籍にまつわるトラブルなど、さまざまな相談を日々、受けている。そのなかでも、在日2世が高齢化していることから、相続についての相談が多い。たとえば遺産分請求について。子どもの頃に離婚して帰国した親が韓国で亡くなったことを知り、遺留分の確認と請求をどうすればいいか知りたいと相談。韓国の弁護士と連携を取って訴訟制度の該当などを調べ、解決した」と具体例を挙げた。
離婚についての相談も多く、「在日同胞と外国籍の夫婦に二重国籍の子どもがおり、離婚する際の財産分与や親権、連帯保証人など相談され、弁護士を選任して解決した」などいくつかのケースを紹介した。
愛知地方本部でも、やはり故人に関わる相談が最も多いという。「財産分与など相続に関する家族間のトラブルが多く、韓国に土地や遺品や財産があると思われる場合、韓国側に関する資料がなく、親族などの連絡先がわからずに苦労する」とのこと。
結婚に関する悩みも多い。婦人会中央本部の金順子結婚相談部長が語った。「在日同胞と結婚をしたい場合、相手を探すのに非常に苦労する。日本で育ち日本企業で働いていると、周りは日本人ばかりで在日同胞との出会いがない。個人的に在日同胞が集まる婚活パーティーに参加をしても、次に会うステップまで踏み切れないらしく、婦人会や青年会でおぜん立てしてあげたいと思っても青年会に入ることをためらう若者が多く、悩みどころ」だという。
この2年間、コロナ禍で対面相談ができない状況が続いていたが、ようやく全国的に相談会が活発に開催されてきている。まだまだ相談センターを活用しないで個人的に悩んでいる人が多いので、ぜひ気軽に相談してほしいと、各担当者が口をそろえる。
現在開催中の婦人会大研修会に参加したとき、在日1世の墓所や葬儀を研究している大学教授の講義があった。家庭ごとに違うしきたりでもめごとが起きたり、韓国の祖先や親戚の情報がなくて困っているなど、さまざまな悩みが発生しているという。
また、親の介護にまつわる家族間のトラブルや仕事との両立についての講義もあり、誰もが経験する問題なので、真剣に聞き入っていた。
こういったケーススタディーをデータ化し、全国で共有していければ、多くの悩みを早期解決するための糸口になるだろう。


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