中国で「潤学」加熱 移民希望者が急増

日付: 2022年06月28日 12時19分

  世界各地にあるチャイナタウンは悲しい歴史を抱えている。19世紀、滅びゆく清国の農民らが米国、カナダ、メキシコなどに渡った。中国人労働者たちは「クーリ(中国語で苦力)」と呼ばれた。安い賃金で、集団で送り出されたクーリたちが各居住地に形成した村が後のチャイナタウンとなった。韓国で最も古い歴史を持つ仁川チャイナタウンや釜山チャイナタウンも清国末期の流民らが元祖だ。
それから約100年が経った現在、中国人らの「脱中国」が爆発的な勢いを見せている。正確には「中国脱出の準備」だ。極端な都市封鎖を展開した中国政府の「ゼロコロナ」政策に嫌気がさして移民を検討する、いわば「脱出学」が人気を博しているのだ。
香港の日刊紙「明報」は19日、「今春、上海の感染症は武漢での流行以来最悪の状況となった。しかし(武漢との)違いは封鎖中に多くの市民が政府に幻滅し、封鎖の解除と共に引っ越しや移民の準備を始めたという点だ」と報じ、上海で展開した都市封鎖の余波に言及した。
権力により一律的に封鎖された上海では、若い世代を中心に「潤学(runxue)」という流行語が生まれた。「潤」の中国式発音は「ルン」で、「逃げる、脱出する」という意味の英単語「run」と綴りがリンクしていることから着想を得たもの。
明報は「『潤学』は移民について研究する学問。上海が封鎖されている間、一部の移民コンサルタントは通常より問い合わせ件数が10倍以上に増えたという。また、一部の保護者たちはインターナショナルスクールの教師らが中国を離れることを懸念し、前もって移民の計画を立てている」と報じた。
米中合弁の資産管理会社「ビアンインターナショナル」によると、既存客は主にコンサルタント・投資が中心だったが、最近では移民について問い合わせる保護者が増えたという。同社CEOは「現在、米国投資移民プログラム(EB―5ビザ)の待機期間があまりにも長いため、早く進める方法を尋ねてくる人もいる。これまでは移民を考慮していなかった人たちですら検討を始めている」と語った。
中国のポータルサイト「バイドゥ(百度)」では、中国のSNSにおける4月の検索語は「移民」が前月より400倍に急増し、翌5月には4月の300倍以上に急増したと明報が報じた。
歴史を振り返ると、中国人の海外移住は大きな出来事がターニングポイントとなっている。1989年の天安門事件(中国語では『政治風波』)、1997年の香港返還、2018年の習近平の長期執権プラン改憲(国家主席の任期制限条項を撤廃)などを機に、中国では海外への移民・留学ラッシュが起きた。今回はコロナに翻弄された中国人たちが「中国政府が嫌で」国を脱出する計画を立てているようだ。

(ソウル=李民晧)


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