韓国宇宙産業の扉を開く 世界7カ国目の衛星技術保有

国産ロケット「ヌリ号」打ち上げ成功
日付: 2022年06月28日 11時47分

   韓国が独自開発した宇宙ロケット「ヌリ号」が21日、全羅南道・高興の羅老宇宙センターから打ち上げられ、衛星を目標軌道に乗せることに成功した。これにより、韓国航空宇宙産業の扉が一気に開いたことになる。同分野においては国同士の技術移転が厳格に禁止されているが、韓国は今回の成功で単独の衛星発射とミサイル技術統制力を有する7カ国に肩を並べることになった。
ヌリ号は国内技術のみで2010年3月に開発を始めた3段式宇宙ロケットだ。宇宙開発分野における先進各国は数十年前に発射を成功させているが、今回のヌリ号打ち上げは設計から製作・試験・発射・運営など全ての過程を国内技術で進めたという点に注目すべき。ロケットのコア技術をトータルで確保できたという事実は、韓国にとって大きな意味を持つ。実際、ヌリ号の部品は94%を国産で賄っている。
丸12年と3カ月にわたるミッションが成功したのは、韓国航空宇宙研究院(KAI)をはじめとする国内約300社の技術力を総動員した結果だ。参加企業はハンファグループ、現代重工業、現代ロテム、ネオスペック、斗源重工業などだ。これら民間企業が相互協力し、未来産業の核心ともいえる航空宇宙の新時代を切り開くこととなった。
しかし、韓国には航空宇宙産業を管轄する政府機関が存在しない。そのため、尹錫悦大統領は大統領選の公約で米航空宇宙局(NASA)の韓国版「航空宇宙庁」の設立を宣言した。その実現には野党の協力が不可欠だ。政府機関となる「庁」を設立するためには、政府組織法を改正しなければならない。法案通過には議席の半数以上を占めている「共に民主党」の協力が必要だ。
一方、今回ヌリ号の打ち上げに参加したKAIとハンファは、第2フェーズに入る準備を始めた。焦点となるのはニュースペース(宇宙)時代を率いる「韓国型ロケットの高度化」事業だ。ヌリ号開発技術を民間に移転し、国内宇宙ロケット産業のシステムを育成・強化して、民間事業で優位性を確保する狙いがある。
ヌリ号は27年までに4回の追加打ち上げを予定している。これまで国が開発を主導してきた航空宇宙技術が軌道に乗ったことで、今後はその技術を民間に移転し、様々な宇宙プログラムの開発を始動させる見通しだ。
世界の宇宙開発事業の市場は40年に1兆1000億ドル(約1423兆ウォン、モルガンスタンレー調べ)規模に達するものと見られている。半導体で後れを取ったサムスン電子が今では世界トップの半導体企業に成長したように、韓国企業が航空宇宙分野で飛躍することを期待する声が高まっている。
(ソウル=李民晧)

韓国独自の技術で開発したロケット、ヌリ号打ち上げの瞬間 (6月21日、共同取材団)


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