【映画】『ポーランドへ行った子どもたち』(韓国)

戦争に翻弄された子どもたち 南北分断の傷や思いなど記録
日付: 2022年05月24日 11時40分

©2016. The Children Gone To Poland.
 1950年代、北韓は6・25戦争による戦争孤児たちをポーランドに預ける。
両親や家を失った子どもたちは、ポーランドの教師たちをいつしか「パパ、ママ」と呼び、両親のように慕った。
戦争が激化し、学徒動員のために子どもたちは全員、帰国を余儀なくされる。子どもたちはポーランドへ戻りたい一心で教師らに手紙を送り続けるが、検閲で子どもたちが罰せられることを憂慮して、返信をしなかった。
しかし、子どもたちがポーランドまで歩いて脱北を図り命を落としたといった情報を聞いて、胸が押しつぶされそうになった。
これらの資料の存在を知ったチュ・サンミ監督は、映画化を決意。実際に脱北した若者たちのオーディションを行う。そのなかのひとり、イ・ソンを連れてポーランドへ。当時を知る教師たちの声を記録する、ドキュメンタリーの制作を開始。
しかし、旅の途中でイの内面に踏みこみすぎて、彼女を傷つけてしまう。監督は自分を責める。さらに、産後うつによる子どもに対する自身の感情と、教師らが語る子どもたちへの自戒の念が重なり、行き場のない気持ちにあえぐ。
南北分断で生じた、さまざまな立場で抱える闇や傷、思い、未来が記された、貴重な一本。また、今このとき、ウクライナで戦争孤児が増えていることを忘れてはいけない。

■監督/リュ・スンワン  
■キャスト/キム・ユンソク、ホ・ジュノ、チョ・インソン、ク・ギョファン、キム・ソジン、チョン・マンシク
■2021年/韓国/カラー/121分/字幕翻訳:根本理恵

公開=6月18日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次公開。
公式HP=http://cgp2016.com


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