コロナ下の教育事情

韓国は私教育強化、日本は学費増
日付: 2022年03月29日 11時51分

 韓国教育部と統計庁が行った小・中・高校生に関する調査で、塾や家庭教師など、いわゆる「私教育費」の支出と参加率が過去最大を記録したことがわかった。韓国ではコロナ下で私教育への依存度が高まった形だ。日本の状況はどうか。韓日の教育費についてデータから考察する。

■私教育にかかる費用
今月発表された調査結果によると、昨年の韓国の小・中・高校生の私教育費総額は23兆4000億ウォンと集計。これは2020年の19兆4000億ウォンより21%増え、関連統計を取り始めて以来もっとも高い数値となった。塾や家庭教師を利用する率は19年の74・8%から75・5%に上がり、こちらも過去最高を記録した。
費用の面ではどうか。子ども1人当たりの月平均支出額は36万7000ウォン。日本円にして3万7000円ほどだ。これまでの最高額だったのは19年の32万1000ウォンだが、それより14・2%増えた。これは、私教育に参加していない生徒まで含めた平均値である。
私教育に参加する生徒を基準に計算すると、小学生40万ウォン、中学生53万5000ウォン、高校生64万9000ウォンに達する。平均すると49万5000ウォン(約5万円)で、19年の42万9000ウォン、20年の45万ウォンと、右肩上がりとなっている。
これら大きな上昇幅について教育界では、入試制度改革など政府の教育政策が滞っている間にコロナ禍となり、公教育がもはや役割を果たせず、私教育の需要が増えた結果と指摘する。

■科目別のデータ
私教育に参加している生徒を基準に科目別に費用をみると、もっとも多いのが英語の月平均22万5000ウォンで、続いて数学(20万7000ウォン)、国語(12万2000ウォン)、社会・科学(11万6000ウォン)の順だった。
塾や家庭教師への依存度が高い英語や数学だけでなく、国語の支出が増えた点が注目されており、これは大学修学能力試験で国語の問題の難易度が上がったためとみられている。

■日本の状況
では、日本の私教育事情はどうだろうか。学習塾比較などのサイトを運営する企業が発表しているデータをみると、通塾率は小学校6年生で51・6%、中学校3年生が79・8%と最も高く、高校生では4割前後に下がる。日本では高校受験に備えての塾利用が最大ということになる。大学受験は全般に、韓国ほど熾烈ではない。
私教育の内容についてみてみよう。大手生命保険会社が大学生以下の子どもがいる男女1000人を対象に今年1月に実施した調査結果によると、親の6割強が教育費の多寡は子どもの学力や学歴に強い影響を及ぼすと考えていることがわかった。しかし、コロナ下での収入減などを理由に家計における教育費の負担増に不安を感じている親は7割に及ぶ。
学習塾や通信教育の利用、スポーツや芸術などの習い事に対する1カ月あたりの平均支出金額は1万4429円となった。昨年の調査結果(1万3267円)と比較すると、1162円の微増に留まる。
日本の問題は、少子化とコロナ禍の影響で、学費そのものが増大している点だ。都内の私立大の年間授業料をみると5年で7万円余り増えたが、これは1割増にあたる。特色を出すための少人数制の採用や、オンライン授業の整備などもコストを押し上げる要因となる。たとえ塾に通わせなくても、教育費自体の負担が増えている状況だ。


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