コロナ流行初期は「K防疫」などともてはやされた韓国の防疫体制は、完全に破綻した。そもそも「K防疫」という言葉自体、文在寅政権による自画自賛の産物ではなかったか▼確かに韓国の防疫体制が機能していた時期はあった。近隣諸国に比べ、封じ込めは確実に成功していた。ところが昨年の下半期以降、増加に歯止めが効かなくなり、今や連日30万人を超す新規感染者が出ている。死者も200人以上。不名誉な「世界一」である▼このような状況でも、文政権は防疫体制の緩和に舵を切る。外国からの入国規制も、ワクチン接種が済んでいれば、隔離期間なしで韓国に入国可能となる。政府は3月中旬に感染のピークを迎えると考えているようだが、結果はどうなるだろうか▼専門家は、ピークを過ぎて下り坂に入った時点で緩和策を打ち出した諸外国と比べ、韓国での緩和は時期尚早と指摘している。すでにコロナ対策では大失敗している文政権だが、場合によってはさらなる”罪”を重ねることになる▼5月に発足する尹錫悦政権の課題は多い。コロナ対策はもちろんのこと、左傾化した韓国の体制を正常に戻すことは容易ではない。共に民主党は”統合””和合”という言葉を用い、主導権を渡さないように工作している▼尹錫悦次期大統領は、巨大左派野党と対決するための準備、組織作りを早急に進めなければならないはずだ。大統領に当選したことに浮かれている時間はない。「権力交代期の新旧権力の衝突」を制しなければならない。