金正日出生日(光明星節)80周年を迎え、平壌の邪教全体主義を支える労働党が、金正日を神話化する扇動記事を吐き出している。この野蛮的な神政体制の末端に位置する労働党日本支部の機関誌・朝鮮新報も63年前、地獄を楽園と騙し在日同胞を北送した反人道犯罪を全く反省せず、今も同胞を洗脳し続けている。日本当局の統計によれば、日本内の外国人約286万人の内、朝鮮籍がまだ2万6792人(昨年6月末現在)いる。朝総連の扇動と洗脳が原因だ。
朝鮮新報は14日付の1面トップに「子孫万代の幸福のための愛国献身の大長程」という金正恩追悼記事を掲載した。一方、平壌の労働新聞は11日、「神聖な革命の道、最後まで継承する」という正論で、「金正日が苦難の行軍時期に密かに核開発に邁進した」と追慕、宣伝した。
労働新聞が、核開発は(300万人の)人民の命と引き替えに得たものという報道をしたのは初めてではない。金正日は1999年にも告白した。
「敵はわれわれが人工地球衛星(テポドンミサイル)の発射だけでも数億ドルは充分かかったと言っているがそれは事実だ。私はその金を人民生活に投資したらどれくらいよいだろうかと考えてみた。私は人民がまともに食べられず豊かに暮らせないことが分かったが、国と民族の尊厳と運命を護り明日の富強な祖国のため、資金をその部門に回すことを許可した」(「労働新聞」1999年4月22日付の「正論『自主はわれわれの生命』」)。
朝鮮新報は、なぜ労働新聞が誇った、金正日が人民を餓死させながら核兵器を開発したという記事は伝えないのか。
金正恩も代を継いで「第2の苦難の行軍」を予告した。専門家らは北側が先月、ミサイルを発射するために費やした費用を6500万ドルと推定する。これは小麦粉23万トン、トウモロコシ25・7万トンが買える金額だ。金正恩も自分の父のように人民の10分の1以上を餓死させるつもりか。
朝鮮新報は、2021年を「偉大な勝利の年」だったと報道した。しかし先週の6日、平壌で開催された最高人民会議では、崔龍海、金徳訓など、党と政府の最高幹部たちが一斉に自己批判をした。偉大な勝利をしたのに、なぜ自己批判をせねばならないか。昨年は勝利の年だったか、失敗の年だったのか。
朝鮮新報は9日付の1面に「住み慣れた家を離れ、きつい哨所へ朝鮮の各地の青年たちの嘆願の熱気」という記事を載せた。北韓は毎年、青年と除隊軍人を集団的に僻地へ強制配置する。日本でも朝鮮大学校卒業生は組織が強制配置する。
最近、北韓当局が青年たちに農村への偏見をなくし嘆願することを強い、5日には咸興市の各工場や企業所で「青年たちは農村革命の先駆者になろう」という講演会が開かれ特に20代の女性が「古い認識から脱皮せよ」と強調されたという。要するに都市の女性たちに僻地へ嫁げということだ。北韓は都市と農村の格差が激しい。金日成のときから解決のため農村革命化を叫んできたが、改善されなかった。結婚を約束した彼氏が強制或いは自主的に農村に配置されたなら、破談を選ぶ傾向にあった。平壌出身の妻が除隊した地方出身の夫について行かず、一人で平壌に残る場合が少なくないという。
朝総連は「佐渡炭鉱強制動員」を非難する。なのに21世紀に若い女性を強制的に僻地へ嫁がせる朝鮮労働党は称え続けるのか。
(つづく)