【BOOK】『K-POP時代を航海するコンサート演出記(キム・サンウク著/岡崎暢子 訳)

BTSと共に歩んだスタッフの奮闘記 ひたすら努力し続けることの大切さも
日付: 2022年01月19日 00時00分

 韓国のエッセイ集には、内容を凝縮した長めのタイトルがつく。本書もその例に漏れずで、お察しの通り、あるコンサート演出家とそのスタッフが世界的アーティストとなったBTSのデビューショーケースからファースト・コンサート、ファンミーティング、ワールドツアーと回を重ねるごとに成長を遂げていく記録だ。読者は演出家のさらに後ろから、BTSの舞台を眺めることができる。ライブ会場で得られる感動とは異なる熱量がそこに存在する。BTSの音楽を知らなくても、目頭が熱くなる瞬間に遭遇するだろう。
以上は第2章からの話だ。実は本書のもう一つの読みどころが第1章に詰まっている。著者の幼少期から学生時代の記録である。BTSとの出会いはサクセスストーリーの幕開けだった。しかし、第1章はその華々しさとはかけ離れている。努力は報われないことの方が多いのだ。だが、結果が思わしくなくても著者は諦めない。いつでも一生懸命なのである。
ある目的が達成されなければ、それまでの努力は無駄だった、との考えは間違いだった。努力は広くて深い効果を生み出す。訳者は「この本を学校の図書室に置いてほしい」と願っている。何のために頑張るのか、迷走している全ての人に、この本をお薦めしたい。
小学館刊
定価=2200円(税込)


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