金正恩体制、突然の崩壊も

日付: 2022年01月12日 00時00分

 平壌側は2022年の新年辞は発表せず、昨年12月27日から5日間開催された労働党第8期4次全員会議の決定書を全住民が学習するよう指示した。金正恩は党全員会議での報告で21年に大きな成果を収めたと言ったが、昨年の秋の収穫後、わずか2カ月分の食料を配給しただけだ。大部分の住民が餓死を恐れている状況で、何の成果なのか。
過去には、各級党会議をこんなに頻繁は開かなかった。金正日時代には党大会そのものを開かなかったし、会議は形式的なものだった。しかし金正恩が権力世襲後、36年ぶりに党大会が開かれ、各種会議が多くなった。一方、金正恩の権威を損ない、金日成神話を消す作業が静かに進行している。金氏王朝の先祖の名を冠した軍事学校の名称が変わり、平壌市内の党宣伝看板から首領たちの名前が消されている。
この状況で、平壌の集団指導体制を示す報道がまた出た。金日成と金正恩のミイラが保存されている「錦繡山太陽宮殿」への新年参拝写真には、軍部が大挙除去されていた。3日付の労働新聞の1面に、金徳訓内閣総理が黄海製鉄連合企業所について現地で要解したと報道した。皮のロングコートを着た金徳訓の写真が掲載されたが、白馬や皮のロングコートは金氏王朝、いわゆる白頭血統の権威の象徴だ。これまで皮のロングコートを着て写真におさまっているのは、金正恩、金与正、玄松月、趙甬元、金徳訓だけだ。
労働党は外貨枯渇で肥料を輸入できないため、春の農業のための堆肥生産量を住民に割り当てた。労働者1人当たり500キログラム、人民班でも世帯当たり200キログラムずつ割り当てた。割当量を納めないと1キログラムに1000ウォンを罰金で徴収するという。過酷な搾取だ。もっとも金日成時代にも、平壌市民にまで世代別に堆肥原料の人糞を割り当てた。
平壌側は5日、弾道ミサイルを発射した。安保理5カ国の核戦争不可共同声明(1月3日、米国時間)の直後、北京冬季五輪を控えての挑発だ。平壌側は極超音速ミサイルが標的に命中したと発表したが、虚構だ。逆に、昨年の11月28日、潜水艦からSLBM発射を試みたが失敗、北側の唯一の新浦級潜水艦が破損、修理したという。平壌側は北京五輪不参加を公式発表(7日)したが、オリンピックどころでない。北韓軍は、もはや戦闘不可の状態だ。


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