ソウルで韓日改善テーマにセミナー

関係硬直化の要因と解決策探る
日付: 2021年12月01日 00時00分

 韓日親善協会中央会(柳興洙会長)は11月19日、ソウルで「転換期の韓日関係:新たな解決策の模索」をテーマにセミナーを開いた。韓日両国政府からは崔鍾文・外交部第二次官、相星孝一・駐韓日本大使らが参加した。いまだ続く韓日関係硬直の原因と今後の行方について、両国関係に精通する専門家らが意見を発表した。専門家の言葉から、韓日関係の今を紐解いてみたい。(ソウル=李民晧)

韓日親善協会中央会セミナーで討論する韓日関係の専門家ら(11月19日、ソウル中区)

韓日親善協会が開催

 柳興洙・韓日親善協会中央会長
(元駐日大使)

昨今は、緊張状態の緩和はおろか両国間における認識の違いが増幅している。もはや互いの関係改善をあきらめているような印象すら受ける。幸いにも日本では10月に岸田内閣が発足し、韓国でも来年3月には新政権が誕生する。それが両国の緊張状態を緩和させる絶好のチャンスになると思う。両国が歴史の泥沼から抜け出す時がきた。韓国は「親日=売国」という型を外す必要があるし、日本は世界的潮流に逆らうような「嫌韓」的行動は控えなければならない。

パク・ベグン(釜山大法学部教授)

(韓日関係悪化の火種となった)2018年、韓国最高裁における徴用工問題の判決は、個人の請求権に関する問題だ。国際法的な観点では国際法違反とはいえない。被告が日本政府ではなく一企業だからだ。日本政府は「韓国が国際法に違反した」と指摘したが、日本国際法学会でも「国際法違反ではない」との解釈が大方の意見だ。ただし、この事案が韓日請求権協定に抵触するか否かについては争点となるだろう。日本の請求権協定を実行すべきとの主張が説得力を持つ可能性がある。しかし、それもまた正誤で語れるものではない。

 徐錫崇(韓日経済協会副会長)

各企業の経営者たちは、総論よりも現実的かつ可視的な方に関心を寄せるケースが多い。徴用工問題の判決では、帰責事由がない二次的被害者が多数発生した。日本は「輸出規制」という言葉こそ使用しなかったものの、当時の韓国企業は事実上の規制を受けた形となった。本件は、徴用工問題の判決に極めて密接に関係していた。日本は「韓国に対する管理の厳格化措置(ホワイトリストからの除外)であり、輸出規制ではない」としていたが、日本から部品を輸入していた企業は被害の当事者となってしまった。
最近(11月上旬)、第53回韓日経済人会議が開かれた。両国のビジネスマンたちはこれまで毎年談話を発表し、両国の政治が企業間の協力関係に支障を来すことがないよう求めていた。しかし、今年はそうした内容が抜け落ちていた。政府への期待をあきらめた形だ。両者が互いに背を向け、「壊れたレコードのような言葉」をこれ以上聞きたくないという意味だ。両国経済は共存―共栄―共生の関係だ。相手を責めるだけでは何の解決にもならない。

李河遠(元朝鮮日報東京特派員)

文在寅大統領は今年1月、2015年の韓日慰安婦合意を公式の場で認めた一方、(日本の植民地時代に)韓国人労働者を日本に強制連行した日本企業に責任があると述べた。これは裁判への介入になりかねない。
安倍政権下の19年に行われた韓国に対する輸出規制は、参議院選挙が迫った頃に実行された。文政権も対日政策に失敗したが、安倍元首相も同様だった。
現政権下で韓日関係を改善させることは厳しいのではないか。新大統領と岸田首相が新たな時代を切り拓かなければならない。岸田首相は自民党内で韓国に最も友好的な宏池会のメンバーだ。池田勇人、大平正芳、宮沢喜一、鈴木善幸などの歴代首相が所属してきた伝統がある。慰安婦合意の破棄が報じられた際は胸を痛めたとも聞いている。しかし、韓国に友好的で韓国の政治家と交流がある人物が首相となったことに期待している。

 鈴木壯太郞(日本経済新聞ソウル支局長)

両国の政治のトップからは、関係の正常化に対する意志が感じられない。遺憾である。徴用工問題に対し、青瓦台が「現金化は望ましくない」と発言したことで一時は期待が高まったが、青瓦台が問題解決に向けて具体的なアクションを起こす様子はみられない。
半面、日本は韓国の責任論を強調した。「韓国国内で解決せよ」というスタンスで、韓国が求める対話には応じていない。まずは韓国政府が徴用工の遺族らにコンセンサスをとるのが必要ではないか。そうすれば日本もアクションを起こすだろう。
韓日両国は外交安保やカーボンニュートラル、北韓の核など諸問題で相互協力が不可欠だ。互いの協力なくして問題解決には至りにくいのではないか。

陳昌洙(世宗研究所日本センター長)


韓日関係悪化における目下の争点は複数に及んでいる。様々な分野で全方位的な対立の様相を呈している。歴史問題は法的解決が難しく、政治的解決が望ましい。来年新政府が誕生したとしても、新たなリーダーが日本に対して確固たる関係改善の意志をもたなければ関係改善は容易ではない。
新政府の誕生に伴い、政治的解決法を模索する必要がある。韓日首脳会談を通して風穴を開けなければならない。徴用企業に対する現金化措置や輸出規制など、これ以上状況を悪化させないという「現状凍結宣言」が必要ではないか。「互いに刺激し合うことはやめよう」という韓日トップ間の協力姿勢、即ち一種の紳士協定が必要だ。
そのためには、外交部と外務省の協議など、プレーヤー間の実質的な対話が急がれる。両国間に実質的な対話の窓口を用意すべきではないか。


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