東京測地系→世界測地系 法人・個人ともに破産件数が増加

深刻な韓国の経済情勢
日付: 2021年12月01日 00時00分

 事あるごとに指摘される、「韓国の家計債務」に関してであるが、韓国国内では、経済規模を考慮すると、家計債務が主要国の中で最も多いとする調査結果が大きく報じられている。新型コロナウイルス感染拡大以降、韓国の家計債務が増えた幅も、主要国の相対比較において最も大きかったとされている。家計債務の大きさ、増える速度ともに主要国の中でトップとなっていると報告されているのである。
これとは別に、国際機関である国際通貨基金(IMF)は、主要35カ国のうち、韓国が今後5年間、経済規模に比べて国家債務が増える速度が最も速いと予想している。これに加えて、家計債務が急激に増えていけば、国際金融市場の韓国に対する目はさらに厳しくなることも予想され、これが韓国の「金融破綻の火種」となる危険性も出てきており、注目したい。韓国国内の資金調達力、運用力の格差もあり、企業間格差も見られているとの指摘もあるなか、韓国の中小企業界では、「来年3月に実施される大統領選で勝利した次期政府には、大企業と中小企業の間に存在する格差の是正、両極化の改善と、労働政策の改善を期待する」との声が上がっている。
キム・ギムン中小企業中央会会長はリーダーズフォーラム開幕式で、「成長も重要だが企業間格差問題を解決できなければ大企業と中小企業の間の格差はさらに広がるしかない。労働者にあまりにも傾いた労働政策も改善していく必要がある」などと、様々な制度改革を含めた改善を期待、ファイナンス面での変化も注目されつつある。
さて、上述したような最近のトピックスを踏まえて、「韓国の金融破綻の状況」を確認したい。
2020年に韓国の裁判所で受理された法人の破産申請件数が過去最多を記録したと報告されている。また、個人の破産申請も昨年に続き、今年も増加傾向を見せており、過去5年間で最大となっている。
韓国法曹界では、「新型コロナウイルス感染症拡大の長期化に伴う景気低迷が実体経済に直接的な影響を与えた結果である」との見方を示し、大企業・輸出企業を軸としたマクロ経済の好調さの裏側で、こうした課題も存在していることが改めて示されている。これらの詳細は、韓国大法院行政処が発行した「2021司法年鑑」に示されている。それによると昨年、裁判所に受理された法人の破産申請件数は1069件、関連統計は06年に統合倒産法導入と同時に取り始めているが、1000件を突破したのは今回が初めてとなると報告されている。
また、06年に132件であった法人の破産申請は毎年増加し、16年には740件を記録、17年に699件に減少したものの、18年には806件、19年931件など毎年増加傾向を示しているのである。
法人の破産申請先はソウル回生裁判所(445件)が最多で、続いて水原地裁(206件)となっている。さらに、法人だけでなく、個人の破産申請も最近5年間で最多を記録した。
昨年裁判所に受理された個人の破産申請は5万379件で、19年(4万5642件)に比べて4737件(10・45%)増加した。個人の破産申請は08年のリーマンショックによる世界的な金融危機直前の07年に15万4039件と過去最多を記録した後、18年まで減少が続いていたが、19年に増加に転じた。破産宣告を受けた人のうち、残余債務の免除を求めた免責事案は昨年、4万9467件を数え、前年(4万2853件)に比べて10・3%増えるなど2年連続の増加となった。
今後、米国の金利も引き上げられることが予想されるなか、韓国でも利上げが実施されれば、さらに法人・個人の金融破綻が、顕在化することが懸念される。
事態は深刻な方向に向かっていると見ておく必要があるのではないか。
(愛知淑徳大学ビジネス学部ビジネス研究科教授 真田幸光)


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