韓日の書籍交流深まる

コロナ下で双方の翻訳出版好調
日付: 2021年11月03日 00時00分

 コロナ感染拡大によって韓日の往来が途絶えて2年近くになる。コロナ下にも関わらず、韓国で紹介される日本の本は5000冊超えを維持、日本でも韓国の翻訳本への関心・人気は高まる一方だ。観光客の代わりに書籍を介した交流が活発になっている現状を取材した。

 大韓出版文化協会が発表した統計によると、2020年に韓国で翻訳出版された外国書籍は1万216冊で、これは発行図書全体の18%にあたる。このうち日本の書籍がもっとも多い5164冊で、全体の43%を占めた。2位の米国(3253冊・27%)と比較しても、その数は際立つ。日本書籍の翻訳数が5000冊を超えるのは4年連続で、コロナ下の影響はほとんどなかったと言って差し支えないだろう。
2000年代の初めは漫画の訳本が8割程度を占めていた。今でも半数以上は漫画だが、文学作品も増えている。特に村上春樹、江國香織、東野圭吾、吉本ばなななどは、固定ファンが多い。ライトノベル(漫画やアニメ風の挿絵が入っている娯楽小説)も人気がある。
日本でも韓国書籍の人気はうなぎ上りで、20年には100冊以上の韓国本が翻訳された。10年ほど前からクオンの「新しい韓国の文学シリーズ」「韓国文学ショートショート」や、書肆侃侃房の「韓国女性文学シリーズ」、亜紀書房の「となりの国のものがたり」などが定期的に韓国文学を紹介していたが、当初の翻訳数は年間10~20冊だった。18年12月に「82年生まれ、キム・ジヨン」が登場して以降、K―BOOKとして広く認識されるようになり、翻訳数が増加した。K―BOOK振興会が開催する「K―BOOKフェスティバル」の人気にその一端がうかがえる。オンラインで開催した20年は、韓国文学の翻訳出版を手がける26社によるプレゼンテーションや作家トークイベント、翻訳者による座談会、日韓装丁デザイナーの対談などを行い、アクセス数は見逃し配信も含めて1万5000回に及んだ。
特に韓国エッセイの人気が高い。K―BOOK振興会によると、昨年から今年にかけて新たに10社以上がエッセイの翻訳出版に参入したという。日本の若い世代の本離れが言われて久しいが、女子高校生をはじめとする若者を中心に読まれているのだ。K―POPアーティストが愛読書として紹介することも理由の一つだ。さらに、カラフルな表紙に特徴的なイラスト、語りかけるようなタイトルが若い世代の興味を引いている。書かれている内容は、個人の孤独や不安に寄り添うものが多く、「そのままの自分でいい、頑張らなくていい」というメッセージに共感する声が多い。
韓国ファンだけではない。書店などが企画する、1冊の書籍を取り上げて感想を述べあう読書会(今はリモートがほとんど)が人気だが、韓国文学を題材にした会に参加してみると、特に韓国ファンというわけではない参加者が少なからず存在する。韓国ドラマは見ないしK―POPを聴いたこともないが、書店で見かけた翻訳本の一つとして読んでみたら非常におもしろく、それが韓国の作家だったという。
翻訳本以外にも、韓国ドラマやK―POPに関する日本人による考察本、韓方など健康に関する韓国文化紹介本の出版も増加傾向にある。コロナ下の2年間、書籍交流が一段と活発になっている。

-------------------------------

韓国図書を紹介
小説・エッセイなど78冊


会場には小説、詩、エッセイ、漫画などの分野別に78冊の図書を展示
駐日韓国文化院(東京都新宿区)は10月28日から3日間、「2021韓国図書特別展~友情を紡ぐ~」を開いた。これは「韓国が日本に贈るストーリー」と銘打った企画で、大韓出版文化協会とソウル国際図書展が共同開催した。
昨年から始まったコロナパンデミックにより、韓日の市民は同じように痛みや孤立を余儀なくされた。今回紹介された小説や詩は、まさに韓国人がコロナ禍をどのように受け止め乗り越えようとしているかをテーマにした内容だ。また労働、経済、環境、障がい、親子関係といった現代社会の問題をどのように捉え感じたかをありのままに表現したエッセイや、最近注目が集まる絵本など、韓国で暮らす人々の日常、思いなどが表現された作品が並んだ。
訪れた人々は、実際に本を手に取り日本語の紹介文に触れ、「読みたい本が多い。早く翻訳本を出してほしい」「ハングルを習っているので時間がかかっても読破に挑戦したい」などと感想を述べていた。
展示された書籍は、駐日韓国文化院の図書映像資料室(3F)で閲覧、借り出すことができる。

 


閉じる