大韓民国の建国史(252)

日付: 2021年10月13日 00時00分

朴正煕大統領一行は2月7日の午後、クアラルンプール空港に到着した。イスマイル・ニシルーディン・シャー国王が空港で迎え歓迎式に参加した。朴正煕大統領夫妻は国王夫妻を表敬し、木槿大勲章を授与した。夕方、イスマイル・ニシルーディン・シャー国王夫妻主催の晩餐で、国王は「両国が似た経験に直面しており、共に好戦的な共産主義と戦わねばならない」と強調した。
朴大統領一行は、翌日の午前、マレーシアの国家開発状況室を訪問、マレーシアの第2次経済開発5カ年計画の推進状況を聴取した。当時、マレーシアはアジアで日本に次ぐ富国だった。午後、マレーシア国会議事堂の向かい側に建てられた、1948年から60年までの間、共産ゲリラと戦った独立顕忠記念塔の除幕式に出席した。朴大統領は、国会議事堂や国立墓地と顕忠塔に感銘を受け帰国後、国立墓地の整備を指示する。
朴正煕大統領はラーマン首相との公式会談で、ベトナム戦問題を中心に、東アジア情勢全般について意見を交わし、南ベトナム国民を支援する必要に合意した。両国の経済閣僚間の協議と外相会談を通じ、相互の経済開発5カ年計画への支援や参加、合作投資問題、「自由アジアの指導者級の共同防衛のための意見交換体制および外務長官級会議」などに合意した。
この「自由アジアの指導者級の共同防衛のための意見交換体制および外務長官級会議」は、8カ月後、ベトナム戦参戦7カ国首脳会談で結実した。朴大統領は9日の夕方、マレーシアの指導者たちを招待し答礼の晩餐会を開き、10日の午前、マレーシアを出発、タイに向かった。
朴大統領一行は2月10日の10時50分、バンコクのドンムアン空港に到着した。ブミボル国王夫妻と全閣僚、3軍首脳が空港に出向き歓迎行事が行われた。朴正煕大統領夫妻は午後、クリトララダ宮へブミボル国王を表敬、勲章を交換し、国王夫妻の訪韓を招請、ブミボル国王は即座に受け入れた。
夕方、グランド宮殿で開催された国王夫妻主催の晩餐会で、ブミボル国王は歓迎辞、「タイ国民は、国連加盟国の一員として韓国国民が勝ち取ろうとする理想を実現するよう支援している」と述べた。タイは49年、韓国と修交、6・25戦争のとき、韓国に大隊規模な戦闘兵力を派兵、戦死129人、負傷1139人、行方不明5人の犠牲を出し、66年当時も1個中隊が韓国に駐留していた。
2月11日の午前、タイ首相官邸で開かれた朴大統領とタノム首相の首脳会談で、両国は南ベトナムを共産侵略から防衛するための積極的な共同支援の必要性を再確認し、両国が軍事的協力を続けることと駐韓タイ軍の継続駐屯に合意した。朴大統領一行は、タノム首相夫妻が主催する晩餐会に出席、韓国戦争に参戦したタイの将軍たちに訪韓招請を約束した。
2月12日、朴大統領夫妻はブミボル国王夫妻の案内で、グランド宮とエメラルド寺院を見物した。朴正煕大統領夫妻は12日の夕方、サラサハタイ宮でブミボル国王夫妻とタノム首相夫妻など、タイ政府閣僚や軍首脳、外交使節などを招待、晩餐会を開いた。
2月13日の午前10時、朴大統領一行はバンコクのドンムアン空港を発って香港へと出発した。朴大統領は、師団規模の戦闘部隊が派兵された南ベトナム訪問を打診したが、南ベトナム側が国内情勢と儀典問題で難色を示し、自由中国政府と日程を合わせるため、香港に立ち寄ることにしたのだ。
(つづく)


閉じる