韓国内に浸透する中国の文化侵略工作

世論の猛反発受け上映中止に
日付: 2021年09月15日 00時00分

6・25韓国戦争での中共軍を美化・称賛する中国映画が、国内の上映許可取得後に放映が頓挫する事態となった。作品の輸入会社がレイティング区分申請を取り止めた形だ。韓国を荒廃させた戦犯である中国共産党の国粋主義映像作品が、政府機関の審議を通過したという点に警戒心を高めるべきだ。(ソウル=李民晧)

上映が中止となった中共軍を美化する映画のポスター。9月16日公開と記載
 政府機関の映像物等級委員会は8月30日、中国映画「1953金城大戦闘(原題=金剛川)」の審議を実施し「15歳以上の観覧可」に区分した。中学生以上であれば観覧が可能となる区分だ。
この映画は、6・25当時の南侵行為を「抗美援朝(米国に抵抗し、朝鮮を応援する)の解放戦争」と歪曲した中国が、その思想の延長線として制作した映画だ。そうした作品に対して青少年の観覧を許可することは、反米扇動の放置と言っていい。
結果的に、世論の反発を受け、本作の国内上映は中止された。黄熙文化体育部長官は8日、国会文化体育観光委員会の全体会議で「(輸入会社側が)レイティング区分申請を取り下げたため上映できない。(映像物等級委員会で)ビデオ類に区分されたものの、当事者(輸入会社)が自ら撤回した」と述べた。
映画等級委員会によると同日、映画の輸入会社「ウィズ・ザ・フィルム」は、本作のレイティング区分取り下げ申請を行った。取り下げ申請は特別な手続きを踏むことなく受理され、同時に当該作品の国内配給は不可能となった。
国内での放映に向けた全てのハードルをクリアした状態で輸入会社が自ら断念し、映画上映は中止となった。本作は、6・25戦争の休戦直前、国を守るために立ち上がった韓国軍1万人超が、韓半島を侵略した中共軍と戦い、死傷する様子を描いている。徹底して中共軍を美化・称賛する内容だ。
映画のタイトルにもなっている「金城戦闘」は1953年7月27日、休戦協定締結を控えた頃に江原道華川郡で勃発した。この戦闘による国軍の戦死者は1701名、負傷者7548名、捕虜・失踪者4136名にも及ぶ人的被害を出し、北韓が手中に収めた領土は193キロ平方メートルだった。中国が「戦士たちの英雄的行為を描いた映画」と褒め讃える理由もここにある。
輸入会社はこれまで、上映の強行を示唆してきた。「作中、韓国軍は登場しない。劇場公開用ではなく、家庭用VOD(ビデオ・オン・デマンド)として販売するために輸入した」などの説明に加え、9月16日にIPTV上で公開するとの、広報用ポスターまで制作した。
映画等級委員会は、テーマ、宣伝性、暴力性など七つの選定項目のうち「テーマ」に至っては12歳区分であると判断した。小学生が見ても問題がないという意味だ。
しかし、作品を巡る一連の動きに注目が集まると、政界はもちろん、一般市民からも政府に対する猛反発が起きた。中国の立場に徹した映画であり、北韓と中国の南侵を美化する映画の上映は容認できない、というものだ。
韓国の文化芸術分野では、中国の各企業が韓国制作ドラマなどの主要スポンサーを務め、作品に干渉していることは周知の事実だ。
6・25戦争が北韓と中共軍による侵略戦争という本質を歪曲し、韓国軍と国連軍を侮辱する戦犯美化の作品を韓国内で上映することは不適切だ。攻勢的な中国の文化侵略に対し、韓国政府と文化・芸術業界はどのように自分たちの領土を守るのだろうか。早急に対策を講じる必要があるだろう。


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