平壌で異変が続いている。6月29日の労働党政治局拡大会議で、軍序列1、2位の李炳鉄(中央軍事委副委員長、元首)と朴正天(総参謀長、元首)、そして政治局委員兼党教育科学部長の崔相建が粛清されたという。ところが、今回の粛清はどうも金正恩の意志というより、労働党を掌握した勢力と軍の権力闘争のようだ。
これは先月、党中央軍事委会議で、北韓軍の最大資産である戦略軍の任務と配置などを、中共との連合作戦レベルで調整するよう指示した金正恩が、戦略軍の運用を調整すべき李炳鉄と朴正天など軍首脳部を一挙に粛清するのは尋常なことではないからだ。北からの噂などを総合すると、金正恩が深刻な食糧難に苦しむ住民たちに戦時備蓄米の2号倉庫の食料を放出するよう軍に指示したが、すでに2号倉庫が空の状態だったため、李炳鉄と朴正天が金正恩に報告せず、中国から食糧を密輸したという。
趙甬元などがこれを口実に軍首脳部を粛清したようだ。つまり、軍部が罠に陥った可能性がある。軍部が反撃に出るかは予断を許さないが、極度の不穏な雰囲気が軍内に澎湃しているという。
この状況で、労働新聞4日付の1面は「幹部革命」を強調しながら、首領ではない党に忠誠を強調する記事を掲載した。最近、平壌市内の金氏王朝の象徴が党の象徴物に換えられる事例が伝わる中、平壌からまた驚くべき報道が出た。普通江区域に建設する高級住宅団地を、金日成と金正日が住んだ5号私邸を取り壊し、その跡に建てるよう金正恩が指示した労働新聞が6月29日報道した。
中共との関係緊密化の中、義州飛行場、順天飛行場などの主要空軍基地の滑走路が補強されている。だが、金正恩が2014年委降元山、山村、妙香山特閣(別荘)に作った専用滑走路4つが最近、すべて撤去された。金氏王朝の孤立化作戦が実行されているのか。