民団石川「青壮年会」の韓日交流

古来から韓半島と交流 歴史的背景も
日付: 2021年06月23日 00時00分

 コロナ禍の収束が見えたとは言い難い状況だが、そんな中でも新しい試みが生まれている。民団石川本部で発足した「青壮年会」は、今後の活動についてどのようなビジョンを持っているのだろうか。

東京五輪の開催が間近に迫り、都市部を中心に発令されていた緊急事態宣言が20日、解除された。
一方、対象外となっていた地域でも自粛ムードが続き、思うように活動できない状況は変わらない。しかしそんな中、民団石川本部(朴賢沢団長)で5月下旬、「民団石川 青壮年会」が結成された。
同会は民団石川の傘下団体として業務の補佐などを行うほか、韓日の友好親善を主軸とした活動を行うことを目的としている。
初代会長に就任した董又碩さんは、2009年に留学生として訪日し、14年に北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)の博士課程を修了。現在は日本で就職している。
初代会長の董又碩さん(右端)と青壮年会のメンバー
 青年会の結成自体は、民団石川が5年ほど前から計画していたことだった。17年から民団員として活動し始めた董さんは、「もともと人と関わるのが好きで、石川県の現状をみて交流の場を設けたいと考えた」と語った。
青壮年会の活動は(1)在日やニューカマー同士の交流(2)日本人との交流(3)ボランティア交流という三つを柱としていく。
韓国にルーツを持つ者同士の交流としては、「夢まつり」などを予定している。これは以前から董さんが個人的に企画・実行していたもので、集まった参加者が一年の目標などを書き出して可視化し、行動指針を明確にするものだ。共通の課題を話し合う過程で、参加者同士の仲を深める交流にもなる。
董さん自身、つらい時期をこの方法で乗り越えてきた経験があり、その体験を活かした企画だという。韓国にルーツを持つ在日やニューカマーなどと「夢まつり」を行うことで、交流を促す試みだ。
また、K―POPなどがけん引する第4次韓流ブームの昨今、韓国の文化や言語に興味を抱く人々も多く、韓国語の勉強会などは日本人・韓国人・在日などが交流する良い契機となっている。
董さんは韓国語の教員資格を持っており、今年4月にも勉強会を行った。現在は個人的な活動に留まっているが、今後は青壮年会の活動にも拡大していきたい、と抱負を語った。
さらに、これらの交流の発展形として描いているのが、韓日の交流も兼ねたボランティア活動だ。
石川県の海岸には潮流の関係上、国内以外に中国や韓国からも多くのゴミが漂着する。「環境保全と地域交流を目的とした、海岸の清掃活動なども構想にある」と董さんは語った。
石川県の能登半島は、山陰地方や北九州などと並び、古代より韓半島と深い結びつきがあるとされる。特に新羅・伽羅系の文化が栄え、渡来人も多く住んでいたとする説もある。石川県から出土した仮面には、韓半島のものと類似する点が多いという。
董さんは「まずは『楽しいこと』を行う場を設けたい」と話した。民団をサポートし、体系的な枠組みを活かしつつ活動の場を広げていくことが目標だ。


閉じる