大韓民国の建国史(240)朴正煕大統領の韓米同盟強化外交が本格始動

日付: 2021年06月23日 00時00分

 ラスク国務長官は4月15日、テイラー・サイゴン駐在米国大使に「連隊規模の韓国軍戦闘部隊を派遣する問題を、南ベトナム政府と議論し、韓国から南ベトナムへの派兵を、最大限早期に受け入れるよう交渉してほしい」と指示した。
テイラー大使は二日後、「大規模な外国軍部隊を投入する問題について、南ベトナムの同意を得るのは容易ではない」と報告した。南ベトナム政府は、韓国軍の派兵は彼らを助けるための措置であるというより、米国政府が国内世論を宥めるためのものという不信感を持っていた。
実際に1965年2月、「鳩部隊」の先発隊の隊長として、複雑な行政問題を処理した李勳燮准将の回顧によると、南ベトナム軍最高司令部の作戦参謀部長は、韓・米・南ベトナム軍合同会議で、「韓国がわが国のために軍隊を派遣することはありがたいことだが、そのような支援が必要であるというわけではありません。われわれは、貴国に対して援助を要請するようにと米国政府から説得された」と発言した。
米国政府は南ベトナム政府に、外国軍を受け入れてこそ軍需支援をする、という圧力をかけて、韓国政府に戦闘部隊の派遣を要請するようにしたのだ。韓国軍の戦闘部隊派兵が米国の政策として公式採用されたのは65年4月20日、ホノルルの米太平洋司令部での高位戦略会議だった。
朴正煕大統領の訪米を控え、韓米首脳会談後に発表される共同声明の文案が4月末までに準備されていた。
駐韓米国大使館が5月1日、国務省宛に報告した首脳会談の共同声明の草案には、朴大統領(韓国)への贈り物が準備されていた。
「在韓米軍は現水準を維持する。軍事援助を現水準より増やす。韓国軍に対する軍事援助の削減政策を見直す」
朴正煕大統領夫妻と随行員たちは5月16日の午後、ジョンソン大統領が用意した大統領専用機のボーイング707便で金浦空港を出発した。朴大統領は、外国大統領の専用機を借りる状況を意識したように、出発の挨拶で自主と自立を強調した。
「これからは貧困と屈辱のない、自主・自立の能力を培わねばなりません。この機会に所信の一つを明確にしておきたい。われわれは、ただの無償援助にのみ頼りすぎて生きてきた、恥ずかしく古い過去から大きく一歩進んで、”堂々と借りて使う長期借款”の導入などの互恵的な国際協力にも大きな努力と関心を払わねばならないということです」
専用機は8時間の夜間飛行の後、16日の午前2時(現地時間)、アラスカのエルメンドルフ空軍基地に着き、しばらく休憩、再び7時間の飛行の末、午後5時にワシントン近郊のラングレー空軍基地に到着した。大統領一行はその日の夜は、ウィリアムズバーグで休み、翌日(17日)の午前中にヘリコプター便でホワイトハウスに向かった。
ジョンソン大統領は朴大統領を国賓として格別な対応で迎えた。ホワイトハウスの庭で歓迎式を終えた後、両大統領はリムジンに同乗してホワイトハウスを出発、ペンシルバニア通りを経てゲストハウスのブレアハウスまでカーパレードをした。ホワイトハウスの安保会議は、午後5時に予定されている韓米首脳会談の1時間前に、ジョンソン大統領に会談の準備資料である3ページのメモを報告した。秘密が解除されたメモの要旨は次の通りだった。
(つづく)


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