今年の1月の朝鮮労働党8回党大会で改正された党規約の重要内容が分かった。
まず「党の目標」で、「全国的範囲で民族解放民主主義革命課業を遂行」とされた部分が、「全国的範囲で社会の自主的で民主主義的な発展を実現し」に変わったが、これは意味がない。つづく部分に「最終目的は、(中略)共産社会を建設」と明記されているからだ。
注目すべき部分は「党中央委員会全員会議」に関する項目で、第1秘書の職制が新設され、「党中央委員会の第1秘書は、朝鮮労働党総秘書(金正恩)の代理人である」と規定した部分だ。代理人とは、金正恩が仕事を遂行できないとき、彼に代わって統治する人物だ。言い換えれば、現在の時点で後継者と言える。「代理人」に驚くのは、金正恩が後継者を考えるべき年齢でないためだ。1984年生まれの金正恩は37歳。
つまり、金正恩はすでに「死」を意識しているのか。このことから、昨年4月以降の金正恩の異常な動きの意味が解釈できてくる。大きく4つの謎解きができそうだ。
まず、昨年4月に隠遁。当時、太陽節参拝をしなかった。金正恩が健康なら当然、太陽節に姿を現わすべきだった。金正恩はその後も3~4週間、姿を見せなかった。答えは健康に異常があるからだろう。
二つ目は、昨年の6月、金与正が突然、金正恩の代理人のように振舞った。開城工団を爆破、自分の名前で奇妙な談話を発表し始めた。昨年の8月、国家情報院は、国会情報委員会への業務報告で「委任統治」という言葉を使った。何か情報があったのだ。
第三は、昨年の上半期から金正恩が非常に暴悪になり、非常に残酷な処刑が増えたことだ。承継初期の2013年の張成沢処刑は不可避だったとしても、挑戦者を皆殺した今、粛清を続けることは、金正恩の医学的不安のためと理解することができる。
昨年8月、労働党経済部長を公開処刑、今年2月に功勲国合唱団指揮者(柳賢浩)が数千人の前で公開処刑。北韓の公式序列5位の朴泰成宣伝秘書が処刑されたと言われる。防疫指針の違反で2カ月間、700人近く処刑された。
第四は、最近も金正恩の公式活動はほとんどない。4月11日から金正恩は3日間だけ、ちょっと顔を出した。今年は「第2の苦難の行軍」を宣言した5月7日、軍人家族芸術小組員との撮影の後、先週の4日、政治局会議を主宰したので全部だ。第1秘書は誰か。王朝末期の現象だ。