「候補の経歴記載」問題で紛糾

在日韓国民団の中央団長選挙
日付: 2021年02月25日 00時00分

 今月26日、在日民団中央の団長選挙の結果が開票されることになっている。しかし現在、任泰洙候補の過去の経歴が問題となり事態は紛糾している。20日、選管委は25日までに「不起訴記録処分告知書」の提出を求める書簡を任候補側に送った。

 26日に中央団長選の開票を控える在日民団だが、ここにきて候補者の経歴に関する問題で紛糾している。
中央団長に立候補した任泰洙氏について、今月初旬、過去の逮捕歴に関する記事(読売新聞・2004年11月22日付)が有権者の間に出回った。任候補は17年前、札幌市で恐喝未遂の疑いで右翼団体の幹部2人と共に逮捕され、当時のメディアによって報道された。
この情報が在日民団社会に広がると、呂候補を応援する選挙人などたちから「民団中央団長としてふさわしくない」「即刻辞退すべきだ」との声が上がった。
中央選挙管理委員会が20日、任泰洙候補側に送った文書。「不起訴処分告知書」の提出を求めている
 しかし一方で、「十数年前の事であり、(民団の)規約に違反するわけではない」と任候補の適格性を認める意見もあり、民団は二つに割れた状態だ。
任候補は7日、この件に対して、当時の担当弁護士に説明を委任。同弁護士は恐喝未遂事件を振り返り、「事件との関与なし」と説明した。ところがその後、任候補が05年2月に札幌地裁から懲役2年6カ月・執行猶予3年の判決を受けていたとの噂も流れた。
この事態を受け、中央選挙管理委員会(辛容祥委員長)は17日、同候補を招致して口頭での辞退勧告を行ったという。
選管委側は「逮捕歴を申告していない」として、任候補の虚偽経歴を指摘。
これに対し、任候補側は18日に中央選管に向けた異議申し立てを書面で発表した。申し立ては、(1)事件の判決資料の入手経緯(2)事件を担当した弁護士が行った説明が「虚偽申告」となる理由に対する説明を書面で求めるものだ。
任候補によれば、担当弁護士側は候補資格に影響するのかどうかを重視しているという。弁護士は「仮に執行猶予付きの判決を受けたとしても、刑が執行されずに猶予期間が過ぎれば問題ない」との見解だそうだ。
なお、任候補に「不起訴であったか」と再度確認したところ、「先方とは和解したものの、記憶が曖昧だ」と回答した。
自ら覚えていられないほどたくさん起訴されたのでもない限り、起訴されたかどうかの事実を記憶していないというのは不自然で納得しがたい答えだ。現代社会ではよく「実定法」を云々するが、実定法に優先し、社会を安定させる基礎は「自然法」の方だ。
民団中央の選管委は20日、任候補に、04年11月に逮捕された事件で不起訴処分となったという公式確認文書を25日までに提出するよう求めた。任候補側は21日、要求の履行は「不可能だ」と反論する書面を選管委に送った。
これに対して選管委側は22日、「選管委が問題にしているのは選挙管理規定第7条6項の違反行為」「同告知書の提出を求めるのは中央三機関長の合意だ」と表明。任候補側は同日、「札幌地方検察庁は同告知書を出せないと回答した」「虚偽の流布の根拠資料は何か」と疑義を呈し、対立候補への情報漏洩の件についても弁明を求めた。
両候補の言い分をめぐり、有権者や常任顧問・各組織機関がそれぞれ二つの陣営に分かれ、混乱をきたしている。
任候補側がどのような対応をしていくかは注視する必要があるが、事実関係を明確にすることが重要だ。
この混乱のなか、26日の大会運営において、選管委や議決機関の指導力が問われている。
在日民団中央本部は、韓日関係の悪化を決定的にした文在寅政権と対峙し、在日社会をけん引していく存在となるべきだ。その民団の顔となる中央本部団長は、日本社会からも尊重される人望のある候補が望ましいとする声が大きい。


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