【BOOK】「韓国の小説家たちⅠ」(盧承英他インタビュー/清水知佐子他訳)

文芸誌のロングインタビューを編集 韓国の人気小説家5人の素顔に迫る
日付: 2021年02月17日 00時00分

 2015年7月に韓国で創刊された文芸誌『Axt(アクスト)』のメイン特集は、小説家へのロングインタビューだ。小説家が小説家にインタビューするスタイルで、より深く突っ込んだ質問と内容の濃い回答を楽しめる。いつもなら作品を通してのみうかがい知ることのできる作家の輪郭が、本書ではっきりと浮かび上がる。
取材を受けている作家は、(1)李起昊(『誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ』)(2)片惠英(『ホール』)(3)黄貞殷(『野蛮なアリスさん』)(4)金衍洙(『僕は幽霊作家です』)(5)権汝宣(『春の宵』)の5人だ。本紙読書欄でもなじみの名前が並ぶ。聞き手は、翻訳家であり作家の盧承英と『宣陵散策』などの著者・鄭容俊だが、時折りAxt編集部のスタッフが加わったりもする。
聞き手の感想などが途中に入るからか、そのうちにこのようなスタイルの小説を読んでいる感覚になってくる。作家がそれぞれの作品中で登場人物に語らせる言葉のように、各人の話も常に考えられ熟成した内容だ。手元に著作がある人は、このインタビューを読んだ後にもう一度、作品を手にとってみたくなるだろう。
クオン刊
定価=2200円(税別)


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