米中戦争と米国の内戦が激化するなか、平壌で労働党第8回党大会(5日から)が一週間以上続いている。
金正恩は党大会の報告で、「国家経済発展5カ年戦略遂行(中略)目標がほぼすべての部門で途方もなく未達」と経済失敗を認めた。対北制裁に加え、去る1年間の武漢肺炎ウイルス対策のため国境を閉鎖した措置が「途方もない未達」を正当化した。
2019年2月、ハノイでの米・北首脳会談の決裂後、度々自己反省を表明してきた金正恩は10日、労働党「総秘書(総書記)」に推戴された。党と国家指導体制を、5年前の第7回党大会の前に戻したのだ。
党規約の改正により、「(序文に)共和国の武力を政治思想的に、軍事技術的に絶えず強化することに対する内容を補足した」「祖国統一のための闘争課題の部分に、強力な国防力をもって根源的な軍事的脅威を制圧し、韓半島の安定と平和的環境を守護することを明確にした」と国防力の強化を宣言した。人民武力省も国防省に名称を変えた。
党の指導理念も「人民大衆優先主義」に変更した。極度の体制危機を乗り越えるため、国名である「人民民主主義共和国」に含まれる「人民大衆」を強調したのだ。ところが実際には、「軍政指導部」など人民を監視統制する体制を強化したものだ。
金正恩は、党事業総括報告で36回も核に触れ、「責任ある核保有国として完全無欠な核の盾を構築した」と述べた。「非核化」という言葉は、完全に消えた。非核化交渉期間中に、ずっと核・ミサイルを開発したと自ら打ち明けたわけだ。
平壌側は、文在寅政権に抹消的な問題で時間を引き延ばさず、根本的な措置韓米同盟の破棄を要求した。金正恩は「最大の主敵である米国を制圧し、屈服させることに焦点を合わせる」と言い、韓国に向けては「強力な国防力に基づいて祖国の統一を早める」と言い放った。
SLBMの実戦配備に拍車をかけている金正恩は、韓米の防御網を無力化するための核推進潜水艦と極超音速ミサイル、多弾頭大陸間弾道ミサイル(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、戦術核兵器と軍事偵察衛星、先端無人機開発まで宣言した。これらの武器は、米国を狙っているものの、韓国を屈服させることが最終的な目標だ。
今回の党大会での人事で注目されるのは、党の元老たちの退陣と親中派の躍進だ。つまり、米中戦争の中で、中国との同盟関係の強化が予想される。金正恩が打ち出した国防力の強化でも、中国の支援が予想される。
もし、北側のこの目標が実現されると、韓半島の情勢、分断構造の克服は、今までとは次元の異なるアプローチが避けられない。
何よりも、近年目覚ましく登場する北側の新兵器は、北側の能力から、韓国の軍事技術を模倣(窃取)したものと思わざるを得ないものが多い。北側に韓国国防技術を提供した反逆者たちは、文在寅政権の中にいる。韓国のローゼンバーグの彼らをまず剔抉しなければならない。