われわれは長い間、選挙制度こそ自由民主主義体制の華と考えてきた。学校でも教科書でもそう教えた。ところが、そのような考えをこれ以上持つのが難しい現実を見る。
選挙(その結果)が自由民主体制を破壊し、内戦を呼ぶ現実に直面したのだ。韓国は選挙によってレジームチェンジが行われた。4月15日の総選挙は、文政権が中共と共謀したデジタル不正選挙だった。選挙のすべての過程で不正が恣行され、その証拠が完璧に揃ったにも関わらず、文政権は国民の疑惑提起に対してはもちろん、選挙無効訴訟まで黙殺している。
もっとも、文在寅集団は選挙という形で権力を奪取しながらも、自分たちは委任された権力・権威ではなく、自ら出現した「生成的権力」と主張する。自由民主体制の憲法を否定する全体主義勢力が、選挙という形を通じて国家権力を掌握したのだ。
文在寅集団は、政治的反対者を粛清し、続いて官僚社会をはじめ、あらゆる専門家集団を粛清し始めた。階級革命の本性を現した。現代文明は、専門家集団によって維持され発展する。彼らを粛清するのは、単なる体制(レジーム)の交替を越え、文明を破壊することだ。
文在寅集団は、国家安保態勢と検察を無力化し警察国家を作り、憲法に根拠のない、事実上の総統である大統領だけが統制する「公捜處」を作っている。文在寅は、憲法機関である検察総長を「幽閉状態」にした。慨嘆すべきはこの野蛮な全体主義集団に服務し、支持する者らが少なくないことだ。主に特定地域出身者がこの蛮行に組織的に加担している。
野蛮が勢力を伸ばせば、文明が衰退する。刑事事件の被疑者が立法府に入って法を作り、無能で暴力的な者が出世し、優秀な官僚や専門家を粛清、淘汰している。
韓国でいま、医師がストライキをしている。文在寅集団が、医師という専門家集団を、彼らの全体主義体制の道具にしようとすることに抵抗している。医師らの抵抗は反文明勢力への抵抗だ。
大韓民国は建国当時、体制の選択において、事実上の内戦をした。選挙を通じた全体主義勢力の登場を阻止できなかったため、建国70年が経って、また体制の選択をめぐる内戦状況となった。今回は、建国過程で一敗地に塗れた南労党勢力に自由保守陣営が追われている。
米国の大統領選挙が二カ月後に迫った。大統領選挙に臨む米国の社会を見ると、まるで内戦的状況だ。われわれが知っていた自由民主共和制の米国ではなく、全く異なる価値と体制が衝突している。共和党と民主党の目指すところを見れば、政策面の差別化や競争ではなく、価値観や歴史観そのものの衝突だ。
先週、トランプ大統領が共和党の大統領候補に正式に指名された。トランプ大統領の受諾演説は感動的だった。文明の価値と法治の原則を明確にした。これまでトランプ大統領の悪口を言ってきたメディアと人々は是非聞いてみて欲しい。
先週、ソウルで韓米両国の自由保守人士が第2回KCPAC(保守主義政治行事)を通じ、韓国の4・15不正選挙、中共が介入したデジタル不正選挙を確認した。文在寅集団がいかに邪悪な存在なのか、米国と国際社会に広く知られるようになった。米国は、同盟国の体制戦争、特に選挙制度を悪用した社会主義・全体主義勢力による体制転覆の実状を確認し、改めてその危険を確認したと考えられる。
現代文明が特異点を通っている。自由民主体制が完全に維持・発展するかは、自由を悪用してきた反文明勢力の挑戦をどう克服するかにかかっている。昨年9月、「曺国事態」を契機に発足した、会員6200人の「社会正義を望む全国教授会」のような、知識人集団の役割が切に望まれる。