平壌の異変、権力構造に重大な変化

政変か、集団指導体制か
日付: 2020年08月26日 00時00分

 平壌の朝鮮労働党が19日、党中央委全員会議を開催した。金正恩が自らの経済計画の失敗を認め、来年1月に第8次党大会を開催すると発表した。注目すべき点は、平壌の権力構造の重大な変化だ。金正日時代には、単純な飾りに過ぎなかった党政治局常務委員に権限を与えたことだ。金与正が対米・対南(韓国)業務を担当し、李炳鉄と崔富日(党軍政指導部長)が軍事問題、朴鳳柱と金徳訓総理が経済問題を担当するという。形式的には集団指導体制だ。
韓国国家情報院(朴智元院長)は、金正恩は健康だが、過重なストレスで、金与正に権限を多く移譲した「委任統治」と発表した。しかし、健康な金正恩が権限委任などあり得ない。おそらく、昨年のハノイ会談後から続いてきた平壌の政変が表面化していると思われる。
実際、金正恩の権力世襲後の事情を見ると、金正恩の絶対権威の裏で、労働党組織指導部と軍が死闘を繰り広げてきたと思われる。金正恩が権力継承後、残酷に殺した最高幹部の粛清を企画、実行してきたのは主に党組織指導部だ。李永浩総参謀長をはじめ、軍部の実力者や張成沢が処刑された。縁の下の力持ちの役割を果たすべき組織指導部が、直接総政治局長のポストまで占めた。
聖域化されてきた軍総政治局が粛清されるなど、以前は想像もできなかったことだ。ところが2018年以降、護衛司令部まで粛清された。金正恩の権力世襲と同時に要職に登用、抜擢されて、これまで生き残った幹部はごく少数だ。金英哲偵察総局長、崔富日党軍政指導部長が目立つ。総政治局を監視する軍政指導部、まだ公開されていない新しい組織の役割は果たして何だろうか。崔龍海の役割は何か。75年間の金氏王朝が劇的に終わる日が間近だ。


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