韓半島の赤化へ日本を最大限利用

韓日関係はいまこそ大局的な視野で
日付: 2020年08月15日 00時00分

 北韓が目指すのは、自らの主導による韓半島の赤化統一だ。彼らはこれを「革命」と呼び、目的のためならテロや暴力もいとわない。一方で、彼らの工作活動は武力だけに頼るものではない。長い時間をかけて教育や思想面で洗脳していく。韓国が傀儡政権となった今、日本はこれ以上翻弄されるわけにはいかない。過去の史実から、いかに日本が利用されてきたかを知り、戦うべき真の相手を見定めたい。

反韓工作の基地に利用された日本

 いわゆる「徴用工問題」「慰安婦問題」で韓日関係は戦後最悪と言われているが、歴史を振り返ればさらに厳しい「氷河期」と呼ばれる時代があった。それは、1973年8月8日の金大中拉致事件が発端となる。この事件で、韓国に対する反発が日本国内で起こった。平壌の金日成は、その雰囲気を対南工作に利用することを決める。対南工作とは、北韓が韓国(南側)を金日成主義で統合するためのあらゆる工作活動を指す。
65年の国交正常化以来、順調に発展・拡大していた韓日関係を一気に正常化以前に戻し、韓日の国家安全保障の協力を完全に断つという方針が平壌で決定する。そして自分たちが動員できる労働党日本支部(朝鮮総連)はもちろん、彼らと協力関係にあった日本の左翼や日本のマスコミが「反韓」を推し進めていった。当時はいま以上の反韓だったと言う人もいる。
結果、韓国と日本の間で安全保障関係の協力が断たれた。回復は、ソウルオリンピックまで待たなければならなかった。当時の米国レーガン政府と中曽根政権が、ソウルオリンピックを全面支援することで合意、88年頃、ようやく韓日関係はある意味で正常化した。その15年間の氷河期を作り利用したのが平壌だ。歴史に「タラレバ」はご法度だが、その時期に日本と韓国そして米国が情報を共有し協力していたなら、対南工作のために多くの日本人が拉致された事件も防げたかもしれない。

女性工作員「李善実」

 70年代から80年代にかけて、どのような形で日本が北韓に利用されてきたのか、ある女性スパイの動向を追ってみよう。
彼女の名前は李花仙、後に朝鮮労働党が付けた名前を李善実という。済州道の出身で、梨花専門学校(現在の梨花女子大学)に通う才媛だった。当時、韓日ともに知識人には左翼が多く、共産党の影響を受けていた。日本統治時代に済州島と大阪を結ぶ連絡船が運航していたこともあり、特に済州島には共産党組織がしっかり根を下ろしていたという。48年に起きた済州島四・三事件で異母弟が死亡したこともあり、李善実は南朝鮮労働党(南労党)へ入党する。当時の若者の多くが似たような体験をしていたようだ。
その後北へ渡り、工作員訓練を受け、63年ころ対南工作員に選ばれた。朝鮮労働党は誰が当該工作に適しているかを調べあげ、適任だと思う人物を一方的に召喚する。
入念な下準備を経て、まず日本での合法的な身分を手に入れるため、74年1月に工作船で日本に侵入した。日本での協力者を確保するために使われるのが、北送事業で北へ渡った人々の膨大なデータだ。日本に残っている北送者の家族は、いや応なしに協力させられることになる。そして、李善実は北送者の一人だった申順女という女性に成りすまして活動を始める。やはり工作員の李東春と荒川区で同居を始め、同年3月4日に区役所で外国人登録を行う。東京入国管理局に出頭し、「韓国から密入国してきた申順女」だと名乗り、不法入国だがやむを得ない事情がある場合に下りる「特別在留許可」を申請した。入管では(本物の)申順女が日本から北韓へ永住帰国している事実を確認したが、「そちらが偽物だ」と念入りに準備した筋書き通りに李善実は押し切った。このとき日本側が韓国へ問い合わせをしていたら、偽物だと分かったはずだった。両国の間で安全保障関係の協力がないために実行できた大胆な作戦だった。そしてなぜか、その時期から入管白書から朝鮮籍の人の数字が消える。朝鮮総連の人数は減少の一途をたどっているが、その状況が一目では分からないようになっているというのは穿った見方か。
さて李善実だが、特別在留許可の次は、在日韓国公館が発行する「韓国人国民登録」を入手、自由に韓国へ出入りできる身分を獲得していったのである。そして1980年3月30日、韓国へ永住帰国する。それから10年をかけて、李善実は李仙花(本名の漢字を入れ替えた名前)など複数の顔を駆使して、韓国を破壊するための「南韓朝鮮労働党中部地域党」という地下工作指導部を築いていくのである。利用できるものはすべて利用していく、韓国も日本もまんまと騙された実例だ。

韓日関係悪化は全体主義の企て

現在、韓国では金日成主義者(主体思想派)がその勢力を伸ばしてきた。徴用工・慰安婦問題で日本の反韓をあおり、自分たちに都合がいいように日本を誘導している。その用意周到さは、残念ながら共産全体主義者たちの方に軍配が上がっているようだ。「言いがかりだ」「許せない」と、ややもすると韓国との断交も辞さない日本政府の姿勢を見て、計画がうまくいったと祝杯を上げているのはだれか。
何か大きなうねりの中で韓日関係が悪化している。そこには何者かの意図がある。我々は拉致被害者やその家族がどれだけ苦しんできたか知っている。では、なぜ拉致が行われたのか。その根本的な原因を理解すべきだ。すべては韓半島を、いずれは日本列島を全体主義に変えようとする勢力の企みだ。その勢力はすでに韓国を支配し始めている。もちろん協力者は日本にもいる。彼らの術中に陥らないためにも、今こそ冷静で大局的な視点が必要だろう。

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【李善実】1916年12月(戸籍上)、済州道南済州郡生まれ。本名は李花仙。6・25戦争直前(50年)に北韓へ渡る。74年に「申順女」として日本に密航し、本格的な長期対南スパイ工作活動を開始する。90年に「英雄」の称号が授与されるも、96年から始まった大規模な粛清(深化組事件)により2000年に拷問死する。のちに復権して愛国烈士陵(北韓の国立墓地)に埋葬された。

【南韓朝鮮労働党中部地区党事件】1992年10月に発覚したスパイ工作事件。この組織に関係していたと思われる72人を検挙、うち62人を国家保安法違反容疑で逮捕。300人を全国指名手配した。当時、民主党総裁だった金大中の個人秘書によって国防予算の概要が北へ渡るなどの国家機密漏洩事件に発展した。この地下組織を築いた立役者の李善実は、90年の秋に韓国から脱出する。

【金大中拉致事件】(統一日報 1973年8月15日付)「さる8日白昼、東京・千代田区のホテル・グランドパレスから5~7人組の男に連れさられたとみられる韓国・新民党の金大中前議員(47)は、13日午後10時20分ごろ、ソウル市麻浦区にある自宅に戻ってきたことが明らかになった」と報じ、「救国同盟行動隊員」と称する男から連絡があったことなどを伝えている。


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