【BOOK】「朝鮮女性史 歴史の同伴者である女性たち」―盧桂順・著

歴史の陰に隠れたもう半分の記録
日付: 2020年07月15日 00時00分

 これまで人間社会は、腕力の強い者や戦闘能力が高い集団が弱い者を征服する形で作られてきた。その図式では、男性に比べて非力な女性はどうしたって支配される側だ。その存在は軽視され、ときに情け容赦なく扱われた。
本書は、女性史を「動く車輪の片方を担う重要な位置にある」と捉え、原始共同体社会から20世紀末までの間に、朝鮮半島に生を受け歴史に何らかの痕跡を残してきた女性たちを紹介していく内容だ。
韓国時代劇ファンなら、よく知った名前が登場する。時代背景を知り、改めて人物の理解が深まっていくのはおもしろい。
他国の侵略を受け、また儒教の影響による苦難の中、強かに生きる女性には考えさせられることが多い。今日まで続いている歴史の半分は、間違いなく女性が担ってきたと納得できる内容だ。
リフレ出版刊
定価=1800円(税別)

盧桂順
(ろ けいじゅん)福井県生まれ。在日二世。立命館大学文学部史学科東洋史卒業。岐阜県立女子短期大学非常勤講師。大谷大学非常勤講師。法廷通訳。「朝鮮通信使」研究会会員。論文「粟屋の娘」。


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