「教育のIT化」韓国の課題

オンライン授業540万人に及ぶ
日付: 2020年05月20日 00時00分

 コロナウイルスの影響で現在、190以上の国と地域(21日時点ユネスコ集計)で全国規模の休校が続いているなか、各国で授業のオンライン化が進む。韓国では4月9日から段階的に実施、オンラインを利用する生徒数は540万人に及ぶ。IT先進国・韓国の「教育のIT化」における課題を探る。

 韓国では全国の高校3年生、中学3年生を対象に先月9日からオンライン授業を開始し、約85万人の生徒がその対象となった。16日からは他の学年も段階的に実施、小学校まで対象を広げて約540万人の児童・生徒がオンライン授業に参加できるようにした。
教育現場のIT化は、ゲームなどの娯楽や生活役立ちコンテンツとは違った難しさがある。一つはアクセスの集中だ。教育部は9日の開始に合わせて「300万人同時アクセス」が可能な水準にサーバーを増設済みとしていたが、当日はアクセスに時間がかかるケースや、動画資料などが途中で途切れる事例が発生した。それでもインフラ整備を強化し540万人まで対象を広げられるのは「デジタルコリア」の力だろう。
二つ目は、提供するコンテンツの内容だ。現場では教師がオンライン授業の準備に追われているが、経験やノウハウ不足が大きな課題となっている。「リアルタイム双方向」の工夫が施された内容や、見る側を飽きさせないユーチューバー並みの授業動画を製作するのは、教師にとってハードルが高い。公営の教育放送「EBS」が製作した映像を生徒に見せ、感想文などの課題を提出させるだけの授業になりがちという。
保護者側の反応は分かれている。「EBSを見るだけなら学校はいらない。授業が物足りないので塾へ行かせる」などの声があがる半面、「受験を考えればむしろオリジナルの授業よりはEBSだけにしてほしい」との要望もある。今は対面授業開始までの緊急措置とはいえ、将来を見据え検討すべき課題ではある。
一方、休校中のオンライン授業への対応率が4月15日現在、高校で14%(LINEリサーチ)の日本は、一歩先を行く韓国の課題を参考に「教育のIT化」に取り組んでもらいたい。


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