キスン便り<第16回> 韓国と日本の相違①

日付: 2020年05月13日 00時00分

 韓国と日本で大きく異なる点を見ていきたいと思います。
私はフーテンの寅の映画が好きなのですが、韓国の会計士に尋ねると、次のような反応です。
「ああいう困った奴はどこにでも居るよ。そんな奴の映画を見て何が面白いの?」
日本では、フーテンの寅というのは映画の中ぐらいにしか居ないレアケースです。しかし韓国ではそれが普通にいます。能書きばかり垂れて人に説教をするくせに仕事はまるで出来ないという人たちです。それでいて日当は普通に請求してきます。フザケンナ、と言いたくなる人たちです。ここではそのような人たちを「エセ寅次郎」と呼ぶことにします。
日本の寅次郎は、欲がなく、人生を達観しています。競争社会のアンチテーゼとして存在しています。しかし韓国の「エセ寅次郎」たちは欲に縛られています。何の努力もしないでうまい酒を飲み、奇麗な姉ちゃんを抱きたい人たちです。こういう困った人たちがざっくり二十人に一人、五%ぐらい居ると思います。
在日なら、親戚が二、三十人集まると、必ず困ったサムチュン(叔父)が一人や二人居たことを思い出すでしょう。そんな困った人は韓国社会全体に居ます。在日の家族にだけ居たのではありません。この五%の困った人たちが、世界中で韓国の評判を落としています。
彼らは努力をしないで金持ちになりたい人たちですから、儲け話があれば直ぐに飛びつくし、それが外国であっても、直ぐに韓国を飛び出してチャレンジします。中には成功を手にする人も居ます。しかし、もともとは実力がなくて努力しないで金儲けをしたい人たちですから、多くは失敗します。そして不平不満を言い続けます。こういう人は家族からも見放されますから、晩年は実に哀れです。
こういういい加減な人が交じっているお陰で、韓国の製造業は余り発展しません。合格する部品があり、不良な部品がある場合、完成品は足して平均した数字にはなりません。全体が不良品のレベルになります。ですから95%はまともな部品でも残り5%の信頼性が低いので、全体の信頼性は低くなってしまいます。日本では怖らくこの信頼性はほぼ100%でしょう。それで良いものができます。
この事実を元に、だから韓国は駄目なんだ、と考えるなら、その判断はいささか疑問です。認識と判断は別次元のことだからです。皆がしているという認識は、自分もしていい理由にはなりません。皆の方が間違っている場合もあるからです。自分が何かをするには、それをするに足る理由が必要になります。
さて、韓国がこのような事実認識を元に日本に勝つには、使いやすい製品のアイデアを出し、部品は全て日本に任せてしまえば良いのです。
アップルのiPhoneは全てと言って良いぐらい昔の技術ですが、それらを組み合わせて過去にない製品を作り出しました。韓国人は日本人より遊ぶのが上手です。だから楽しい製品作りに特化して、部品は全部日本に作ってもらえば良いものを作り出せ、日本も韓国もウィンウィンになります。部品製造で勝てないと知ったら、勝てる分野で戦えば良いだけのことです。実際そうやって韓国は輸出立国を目指してきました。それを疎外したのはあほな大統領で、成績だけ良い馬鹿者です。彼もまたエセ寅次郎の一類型でしょう。
サムスンは半導体メモリでは世界最高のものを作っています。あれが出来るのは製造装置が人の手を介さないからです。天才が一人居て製造ラインを作ってしまえば、機械が勝手に完成品を作ってくれます。検査まで自動化できるなら完璧ですが、検査だけは人手が必要というのなら、その程度の精鋭は居ます。韓国は技能オリンピックで常にメダルを取っている国だからです。
李起昇 小説家、公認会計士。著書に、小説『チンダルレ』、『鬼神たちの祝祭』、古代史研究書『日本は韓国だったのか』(いずれもフィールドワイ刊)がある。


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