サムスン電子 AI市場に攻勢

新型メモリ、家電など発売
日付: 2020年02月13日 00時00分

 世界的な市場調査会社のグランドビューリサーチによると、人工知能(AI)の世界市場規模は2025年には3909億ドルに達するとされる。AIは産業のパラダイムシフトとなり得る。覇権を握るため、多種多様な企業が開発を進めているが、その中でもサムスン電子の攻勢が目を引く。

 米国で1月に開かれた世界的な家電見本市「CES」で注目を集めたのが、サムスンの独立研究開発部門「スター・ラブス」が開発した「NEON」。最先端技術を有するグローバルIT企業が集まった同会場で、最大の話題となったのはAIだが、NEONの発表はその中でハイライトの一つとなった。NEONは、AIを利用した”本物の人間のような外観と動作で感情や知性を示すことのできる、コンピューターで生成されたバーチャル人間”。本物の人間のように「会話や共感」することができるという。
スター・ラブスのプラナフ・ミストリー代表は「NEONはわれわれの友人、協力者、そして話し相手になる。常に学習し、進化し、交流を通じて記憶を構築する」と説明している。今後、さまざまな分野で活用が期待される。
さらに同社は、CESに先立つイベントでも、家庭向けAI搭載ロボット「Ballie」を公開。手のひらに載るボール状のロボットで、周りの状況を確認して家電の操作をサポートする。
一方、同社は今年に入りAI関連の製品を続々と発売している。
家電の分野では先月29日、新時代の洗濯機「サムスングランデAI」を発売。グランデAIは、頻繁に使うコースやオプションなどを記憶し、次回の使用から優先順位を推薦する機能を持つ。洗濯物の重量を把握するだけでなく、洗濯機に取り付けられたセンサーで汚染度も判断して、すすぎ時間や洗剤量までを自ら調節する。4日には、AIベースの高速データ分析などに活用が可能なメモリ半導体、「フラッシュボルト」を発売した。同製品は、5GB程度の容量のフルHD級映画82本をわずか1秒で転送できるというもの。
これは、同社が17年12月に世界で初めて発売したアクアボルト(第2世代8GB・HBM2Dラム)より、速度と容量がそれぞれ1・3倍と2倍向上した過去最高性能のメモリ半導体だ。
サムスン電子は5G、半導体とともにAIを未来成長産業に挙げており、米プリンストン大学、ハーバード大学などから教授を迎え入れるなどAI人材を強化しており、第4次産業革命時代への経営戦略を着々と整えている。


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