LINEとヤフージャパン 経営統合へ

アジア最大級のネット企業誕生
日付: 2019年11月27日 00時00分

 ヤフージャパンを運営するZホールディングスとLINEは18日、両社の経営を統合することで基本合意したと発表した。経営統合後は、ソフトバンクとNAVER(韓国NAVERと日本子会社)が50%ずつ出資し新会社を設立する計画だ。

  韓国第2位のポータルサイト「ダウム」の創業者である李在雄氏は、「LINEとヤフージャパンの経営統合は、この10年以内に韓国と日本の間で起きた経済協力のうち最も意義が大きい事例」と話した。さらに「両社の統合によって、日本で1位のインターネット会社が誕生するだけではなく、アジア圏を制圧するインターネット企業になり得る可能性がある」と続けた。
LINEの親会社は、韓国のポータルサイト1位のNAVER(ネイバー)。
同社は、2001年に日本市場に進出したが失敗。その後、東日本大震災が発生しモバイルメッセンジャーに対する需要が急増したことから、同時期にリリースしたメッセンジャーアプリの「LINE」が人気を集めた。現在、LINEは日本だけで8200万人のユーザーがいる(PC・タブレットを含む)。日本のスマートフォンユーザーは現在約8000万人前後と推定されるが、この数を超える。事実上、スマホ所有者のほとんどがLINEを利用している状況といえる。
ヤフージャパンは検索エンジンのシェアとしてはGoogle67・24%、Yahoo25・15%と近年大きな差をつけられたが、ポータルサイトとしては日本1位。5000万人が利用していると言われる。同サイトで発信しているYahooニュースの影響力は、テレビ、新聞などのメディアに近づきつつあるとの声も聞かれる。
ポータルサイト1位とメッセンジャー1位企業が統合する意義は大きい。今後さまざまなシナジー効果が生まれる可能性がある。  LINEはメッセンジャー・コンテンツ事業で、ヤフージャパンは電子商取引(eコマース)で強みを持つ。現在、情報収集やコンテンツ、友人とのコミュニケーション、オンラインの買い物、送金などそれぞれの用途でアプリが使い分けられている。
しかし、世界的には、これらを統合した「スーパーアプリ」の実現を目指す流れとなっている。
「スーパーアプリ」として最先端を走っているのが、中国TensentのWeChat(微信)だ。WeChatは、メッセンジャー、情報収集、決済機能すべてを備えていることで、マネタイズに向けたさまざまなビジネスモデルを構築している。また、FaceBookも同アプリ上での決済機能の追加を計画していることを明らかにしている。
LINEとヤフージャパンの統合は、これら世界的な「スーパーアプリ」を可能にするものだ。
18日の記者会見の席上、LINEのメッセージアプリやYahoo!のオンライン通販など、それぞれが強みとするサービスを互いに連携させる方針を示した。まずは日本市場に注力し、その後LINEが根付いている台湾、タイ、インドネシアといった地域に拡大していく計画だ。
一方で、両社の経営統合が、独占禁止法の観点から注目を集めている。一定以上の売り上げがある大手企業の統合には審査が必要となるケースが多いが、市場で強い影響力を持つプラットフォーマーを独禁法の観点からどう規制するかが懸念されている。
また、ヤフージャパンの親会社であるソフトバンクグループの業績は過去最悪の状況。WeWorkの欠損などの影響が大きく、統合後、経営面をどう立て直していくかが注目される。


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